テキストメッセージを送るスマホアプリ画面のイメージ

このページのまとめ

  • WeChatは、約11億人のユーザーを抱える中国版LINEともいえるSNS
  • チャットや通話機能のほかに、ウォレット、ショッピングなどさまざまな機能がある
  • チャット画面はLINEに似ており、ボイスチャットでやりとりするのが主流
  • 口コミを重視する中国では、SNSを活用したマーケティングが有効
  • モーメンツの記事や、ミニプログラムに広告を出すこともできる

WeChatについて知りたい方に向け、基本機能や使い方、企業の活用方法について解説します。コラムを読んで、中国大手のソーシャルメディアを使えるようになりましょう。

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WeChatとは?

WeChat(微信、ウィーチャット)は、Tencent(騰訊)が2011年にリリースした無料のメッセンジャーアプリです。月間アクティブユーザー約11億人という膨大なユーザー数を持っており、中華圏最大規模のSNSとなっています。

WeChatは中国版LINEともいえるアプリ

WeChatは、中国版LINEともいえるメッセンジャーアプリです。メッセージやスタンプ、グループチャット、通話などLINEと似た機能が実装されています。

また、チャット機能に加え、ショッピング、チケット予約、公共料金支払いなど、あらゆるサービスがアプリ内で完結しているのもWeChatの特徴の1つです。WeChatは1つのプラットフォームのような存在になっているといえます。

WeChatのユーザー層は?

WeChatは、20以上の言語版があり、200以上の国や地域をカバーするサービスです。約11億人という膨大な月間アクティブユーザーを有しており、またユーザーの約73%は35歳以下の若年層となっています。

WeChatの運営会社は?

WeChatの運営会社は「Tencent(騰訊)」です。Tencentは、「Baidu(百度)」「Alibaba(阿里巴巴)」と並び中国IT業界を牽引する企業。創業後は、WeChatの前身であるメッセージサービス「テンセントQQ」でユーザーを獲得し、現在はWeChatをはじめ、ゲーム事業、決済事業など幅広く事業を展開しています。なかでも特に力を入れているのがゲーム事業。世界中の有力ゲーム企業を傘下にしながら拡大を続けており、世界最大級のゲーム会社となっています。

WeChatと微信(Weixin)は違う?

WeChatには、中国大陸版と国際版があり、大陸版を「微信(Weixin)」、国際版を「WeChat」と呼びます。中国国外からダウンロードしようとするとWeChatが表示され、中国からダウンロードすると微信(Weixin)が表示される仕組みです。

国際版であるWeChatは、大陸版に比べると一部の機能が限定されています。たとえば、健康コードや顔認証が必要な機能等は利用できません。また、クーポンやウォレット機能はダウンロード直後は制限されています。また、国際版の企業公式アカウントは大陸版では閲覧できないので、中国ユーザー向けに宣伝用アカウントを開設する際は、大陸版である微信(Weixin)でアカウントを作成する必要があります。

WeChatの安全性は?

WeChatの利用にはいくつか注意点があります。まず、メッセージが暗号化されないため、情報漏洩のリスクがある点。業務連絡でWeChatを使用することを禁止している場合もあるので留意しておきましょう。

また、中国政府はインターネット規制を行っているため、やり取りの内容が政府に知られる可能性があります。ただ、犯罪目的のやり取りや政府に不利益となる内容への検閲なので、普段メッセージをやり取りする分には気にする必要はないでしょう。

WeChatとWeibo(微博)の違いは?

WeChatは、個人間やグループ内で密なやり取りができる中国版LINEといえるクローズドなサービスです。一方、Weibo(微博)は投稿が全体に公開され、拡散もできる中国版Twitter・Facebookともいえるオープンなサービスといえます。企業が中国ユーザー向けにPRする際は、両者の特徴を把握して使い分けると良いでしょう。

なお、Weiboについては「Weiboとは? 利用方法や企業が活用する方法について解説!」でも紹介しているので、興味のある方はチェックしてみてください。

WeChatの4つの基本機能

国際版WeChatのメニューバーに表示されている基本機能について紹介します。

1.チャット

チャット機能はWeChatの基本機能の1つです。チャット画面はLINEと似ており、LINEのスタンプにあたるステッカー、写真、動画、連絡先、ボイスメッセージを送れるほか、通話もできますが、メッセージに既読は付きません。なお、中国では音声を送信する「ボイスチャット」が主流です。

2.連絡先

自分の友人やフォローしている公式アカウントを確認できます。

3.発見

発見では、友人の近況を知ったり、近くの人と連絡先を交換できたりします。

モーメンツ

モーメンツは、自分で投稿した記事を友人と共有できる機能です。投稿にはコメントやいいねをすることもできます。LINEのタイムライン、Facebookのフィード機能と似た機能といえるでしょう。

QRコードのスキャン・シェイク

QRコードのスキャン、シェイク機能は、友人と連絡先を交換する機能です。シェイク機能は、LINEに実装されていた「ふるふる」と似た機能で、お互いの端末を振ることで連絡先を交換することができます。

トップストーリー

最新のニュース記事が見れます。

検索

中国の若者層は、SNS上で情報収集することもあります。WeChatの検索機能は、モーメンツや記事、公式アカウントの投稿なども検索できるので、最新情報はもちろん、クローズドな情報も調べることが可能です。

近くにいる人

GPS機能を使って、近くの人を検索することもできます。一覧に表示されたくない場合は、位置情報をオフにしておきましょう。

ミニプログラム

ミニプログラム(小程序)は、WeChat内で動くダウンロード不要のアプリのことです。ほかのアプリを開いたりダウンロードしたりする手間なく、WeChat内でゲーム、ショッピング、動画視聴などができます。また、日本企業でも、チケット販売や商品予約などにミニプログラムを活用しているところがあります。

4.自分

「自分」では、自分の登録情報を編集できます。また、連絡交換に使用する自身のQRコードも作成可能です。お気に入りでは保存した記事、カード&特典ではクーポン、ステッカーギャラリーではステッカーが確認できます。また、自分の投稿では、自分の投稿したモーメンツを確認できます。

マイウォレット

WeChatには、「WeChat Pay」という決済サービスがあります。WeChat Payは、銀行口座をWeChatに登録するだけで簡単に利用できる人気の決済サービスです。

中国では、約9割の人がスマホ決済を利用しているとされており、そのなかでWeChat Payは「Alipay」に次いで利用されているとされています。オンライン上のサービスのみならず、オフラインのショッピングにも利用可能で、幅広く利用されています。

企業がWeChatを活用する方法

中国マーケティングをするうえで、WeChatを活用するのは有効な手段です。公式アカウントを取得すれば、発信する情報の信頼性が高まるうえ、WeChatの公式アカウントページがホームページのような役割を持つため中国参入のハードルが下がります。

公式アカウントは3種類ある

WeChatの公式アカウントは3種類あります。日本企業が広告に利用するには基本的にサービスアカウントを選択することが多いでしょう。

サービスアカウント(訂閲号)

サービスアカウントは、企業のプロモーションやマーケティングに適したアカウントです。友だち登録した一般ユーザーに対し直接情報を届けられます。LINEにおける、LINE公式アカウントのような機能です。

購読アカウント(服務号)

購読アカウントは、メディアや個人向けのアカウントです。毎日1つの記事を配信できますが、通常のチャット画面に投稿は表示されません。ニュースサイトのように、定期的にコンテンツ配信をする場合に適しているといえるでしょう。

企業アカウント(企業号)

SlackやLINE WORKS、Chatworkに近い、企業内の連絡で使うアカウントです。中国ではメールよりチャットが使われることが多いため、企業内の連絡に用いられています。

公式アカウントができること

企業がサービスアカウントを取得すると、以下のようなことができるようになります。

  • キャンペーンや商品案内の配信
  • 情報発信によるプッシュ通知
  • ユーザーとのコミュニケーション
  • URL記載による自社サイトへの誘導
  • 顧客情報の分析機能
  • WeChat Pay利用による販売促進
  • 広告の出稿

公式アカウントを取得すれば、顧客情報の分析や、WeChat Pay活用による販売促進ができるようになります。また、広告が出せるのも大きなポイントといえるでしょう。

WeChatの主な広告配信

WeChatの主な広告は以下の3種類があります。

朋友圈广告(モーメンツ広告)

WeChatのモーメンツに、ユーザー投稿に似た形式で広告を出す方法です。

公众号广告(公式アカウントバナー広告)

記事の底部や中間部にバナー広告を出す方法です。地域や年齢、性別、学歴など、ターゲットを絞った広告が出せます。バナーの出し方はさまざまで、Wi-Fi下でのみ表示される動画広告を出したり、成果報酬型の広告を出したり、広告主と掲載者が互いを選択したりすることも可能です。

小程序广告(ミニプログラム広告)

WeChat内で起動するアプリであるミニプログラムにも広告が出せます。ミニプログラム一覧に表示するバナー広告や、ゲーム内で再生される動画広告、ポップアップ広告などを配信可能です。

中国マーケティングにおけるWeChatの重要性

中国では、メディアの発信する情報よりも、利益に関わらない口コミのほうが信用される傾向があります。日本に来る中国人観光客も多くがSNSで情報を仕入れており、Weiboで商品名を検索したり、WeChatのモーメンツで友達の旅行写真を見たりしているので、SNSによる自社商品のPRが重要なのです。

また、旅行前に情報を仕入れるのはもちろん、旅行中もSNSは欠かせない存在となっています。買いたい商品を家族に確認したり、気に入った商品を友人と共有したりします。WeChatを開きながら買い物をする中国人観光客は少なくありません。

さらに、旅行後は旅の思い出とともに手に入れた商品をシェアすることも多々あります。商品が気に入れば、越境ECで継続して購入することもあるでしょう。

越境ECについては「越境ECとは? メリットやデメリット、始める際の注意点について解説!」でも解説しているので、SNS上のプロモーションと併せて興味のある方はチェックしてみましょう。

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