越境ECで中国向けに食品を販売するには?市場規模や規制について解説!のイメージ

このページのまとめ

  • 巨大なEC市場を有する中国は越境ECにおいて狙い目の国
  • 食品は、化粧品やトイレタリー、健康商品に次いで人気のジャンル
  • 越境ECに適した食品は、小さくて軽く、長期間保存できるもの
  • 菓子類や乾麺、サプリメントなどが適している
  • 小麦・トウモロコシ・米・砂糖は中国が輸入に制限を設けている
  • 原発関連で10都道府県については食品の輸入停止措置が取られている

中国をターゲットにした越境EC参入を検討している事業者に向け、「食品」の市場規模や輸入規制について紹介します。中国で食品を販売するのに必要な基礎知識を押さえておきましょう。

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中国越境ECにおける食品の市場規模

人口約14億人を擁する中国には巨大なEC市場が存在します。越境ECで海外販路を開拓するなら、中国は見逃せない存在です。

経済産業省「電子商取引実態調査」では、各国のBtoC-EC市場規模について、以下のように紹介されています。

【国別BtoC-EC市場規模(トップ5)】

2019年(億USドル)2020年(億USドル)
中国18,01522,970
アメリカ6,0177,945
イギリス1,3391,804
日本1,2351,413
韓国8711,106

上記のデータから、中国にはアメリカの3倍近い巨大なEC市場が存在することが分かります。

EC市場が発達している中国は、越境ECによる購買も盛んです。日本からの購入額だけみても年間2兆億円以上の取引があります。

中国の越境ECにおいて、注目を集めているのが「食品」。食品は、化粧品やトイレタリー、健康商品に次いで取引されている人気のジャンルです。

経済産業省の同調査では以下のアンケート結果が公表されています。

【中国の消費者が越境ECで購入している商品】

  • 1位:化粧品・美容関連製品(40.6%)
  • 2位:トイレタリー(38.2%)
  • 3位:健康商品(35.8%)
  • 4位:食品・飲料(32.1%)
  • 5位:家電(26.7%)
  • 6位:衣料・バッグ(25.2%)
  • 7位:ベビー用品(23.0%)
  • 8位:家庭用品(19.1%)
  • 9位:スポーツ・アウトドア用品(19.1%)

上記のデータから、中国の越境EC利用者のうち、約3割が食品・飲料を購入したことがあるという結果が見て取れます。

中国の消費者に人気の食品は、越境ECで扱うのに適したジャンルといえるでしょう。

関連記事:
中国越境ECに参入するには? 市場規模や始め方について解説

参照元
経済産業省「令和2年度 産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)

中国越境ECに適した食品

食品のなかにも、越境ECに適した商品というものがあります。

ここでは中国越境ECに適した食品を紹介するので、中国進出を検討している方はチェックしておきましょう。

体積が小さく軽いもの(菓子類・サプリメントなど)

越境ECは、配送に手間やコストがかかるため、大きくて重い食品よりも小さくて軽い食品のほうが利便性が高いといえます。菓子類やサプリメントが代表的です。

賞味期限が長いもの(乾麺など)

越境ECは、早くて2~3日で配送できますが、長いと配送に1ヶ月ほどかかることもあります。そのため、乾麺など賞味期限の長い食品のほうが越境ECに適しているといえるでしょう。

常温で保存できるもの、鮮度が落ちないもの(ドライフルーツなど)

越境ECは配送に時間がかかるので、冷蔵食品など鮮度が落ちる食品はあまり適していません。常温で保存でき、鮮度が落ちない食品のほうが適しています。

内食需要を満たすもの

コロナ禍を経て、中国でも内食需要が高まっています。簡単に調理できる主食や長期保存できる加工食品など、自宅で簡単に食べられる食品が越境ECにおいても人気です。

越境ECで中国向けに食品を販売する2つの主な方法

越境ECで中国向けに食品を販売する事業モデルは主に2つあります。自社でECサイトを構築する方法と、中国国内のECモールに出店する方法です。それぞれの方法について解説します。

自社のECサイトを構築する

越境ECに対応したサイトを構築する方法です。サイトの構築には時間やコストがかかりますが、自社のブランドイメージを崩さないサイトを作成できるので、戦略的なブランディングが行なえます。

中国国内のECモールに出店する

天猫国際(Tmall Global)やJD Worldwideといった中国国内の越境ECモールに出店する方法です。現地のECモールは既に多くの利用者がいるので、集客がしやすいところはメリット。また、決済サービスや各種便利な機能がモール側に用意されているのも利点です。

一方、出店手数料や販売手数料がかかる点はネックといえます。そのほか、出店に審査があり、法的な手続きを行わなければならない点も難しいところです。メジャーなECモールは出店のハードルが高いため、代行会社に依頼するパターンもあります。

関連記事:
越境ECの始め方を解説! 商品選定から販売までの流れとは?

越境ECをするうえで知っておきたい中国の食品輸入規制

越境ECを行う際は中国の輸入規制について知っておきましょう。食品カテゴリーだと、小麦・トウモロコシ・米・砂糖が、国内生産を保護する目的で輸入制限品に指定されています。

参照元
ジェトロ(日本貿易振興機構)「中国 貿易管理制度

また、原発関連の輸入規制についても注意が必要です。日本で発生した原発事故に伴い、福島県、宮城県、茨城県など9都道府県についてはすべての食品が、新潟県は米を除くすべての食品が輸入停止されています。該当する地域の事業者は農林水産省のWebサイト等で詳しい情報を調べておきましょう。

参照元
農林水産省「中国による日本産食品の輸出に係る原発関連の規制について

越境ECに関する主な規制については以下の記事で紹介しているので、ぜひご覧ください。

中国越境ECに関する5つの主な規制。日本の事業者が守るべき法律とは?

中国越境ECを成功させるためのポイント3選

中国越境ECを成功させるために重要なポイントを解説します。

SNSを利用したマーケティングが効果的

中国ではWeChatやWeiboといった独自のSNSが発達しています。SNSの影響力がテレビや雑誌を上回っている状態です。多くの消費者がSNSの情報をもとに商品を購入しているため、中国マーケティングにおいてはSNSの活用が重要といえます。

公式アカウントを作成して情報を発信したり、広告を配信したりすることでプロモーションを行いましょう。また、インフルエンサーの影響力が大きいため、インフルエンサーに商品紹介を依頼するのも有効です。

WeChatやWeiboについては以下の記事で紹介しているので、興味のある方はご覧ください。

WeChat(微信)とは? 基本機能や使い方、企業の活用方法について解説

weiboとは? 利用方法や企業が活用する方法について解説!

モバイル決済を導入する

中国は、AlipayやWeChat Payなどのスマホアプリを使ったモバイル決済が普及しています。越境ECで利用する決済方法もモバイル決済が主流なので、決済システムを導入する際はモバイル決済ができるようにしておきましょう。決済方法が適していないと、カゴ落ちを招き、購入機会の損失につながってしまいます。

イベントのタイミングを見逃さない

中国には主に2つのセール期間があります。2月上旬の「春節(旧正月)」と、11月11日の「独身の日」です。イベント期間中にセールやキャンペーンを行うことで、売上アップに繋げられます。

春節は国が定めた7連休で、多くの人が買い物や旅行に出かける日です。そのため、消費が大きく増加します。

独身の日はECサイトやECモールが一斉にセールをする日で、大手ECサイトの売上だけでも10兆円に達するような大きなイベントです。越境EC事業者にとっては大きなチャンスとなるイベントなので、見逃さないようにしましょう。

関連記事:
中国の旧正月・春節とは? 伝統的な祝い方や特別な食事について徹底解説!

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