深センの海辺と街の様子

このページのまとめ

  • 深センは香港に隣接する海辺都市
  • 電子部品のものづくり都市として発展してきた
  • TencentやHUAWEIなど、有名企業が多数拠点を置いている
  • 近代都市である深センにはテーマパークや都市公園など観光スポットも多数存在
  • 治安も良いので観光にピッタリ
  • イノベーション基盤が整備されている深センは日本企業の参入にも適する

中国の深センについて知りたい方に向け、深センの歴史や観光スポットなど、基本情報を解説します。コラムを読んで深センの魅力をチェックしておきましょう。

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深センってどんな都市?

深セン(深圳市)は、香港と隣接する中国の海辺都市です。広東省の南部、珠江口の東岸に位置しており、世界有数の都市圏である「珠江デルタ地域」に含まれています。

1970年ごろの深センはもともと小さな漁村でした。しかし、急速な経済成長により、今では多くのハイテク企業が本社を構え、超高層ビルが立ち並ぶ「中国のシリコンバレー」とも呼ばれる近代都市となっています。優秀な人材や技術が集積しており、とても早いスピードで電子製品を生産することから、「深圳の1週間はシリコンバレーの1カ月」と称されるほどです。GDPでは上海や北京に次いで、中国3位の都市として成長しています。

また、スタートアップ企業が多く、若者にとって起業のチャンスが多い街という点も深センの特徴です。政府が発表した「来了就是深圳人(来たら、あなたはもう深セン人)」というキャッチフレーズのとおり、中国全土からチャイニーズドリームを夢見る若者が集まり、巨大な移民都市となっています。

多くの有名企業が拠点を置く深セン

世界有数のイノベーションシティである深センには、有力企業やハイテク起業の拠点が数多く置かれています。ここで深センに拠点を置く企業について確認してみましょう。

Tencent(テンセント)

  • 10億人以上のユーザーを抱えるメッセンジャーアプリ「WeChat(微信)」を運営
  • オンラインゲームや電子決済サービスも提供
  • 10万人以上の社員が所属

HUAWEI

  • スマートフォン出荷台数の世界第2位のシェアを誇る通信機器メーカー
  • 170カ国以上で事業展開
  • 通信設備は世界最大手で、5G技術の最先端と言われる

DJI

  • 世界シェア70%を誇る大手ドローン製造会社
  • 撮影機能や人命救助、物流などさまざまな機能をもったドローンを開発

BYD

  • IT部品と自動車の2事業を展開する企業
  • 電気自動車(EV)の販売数は米・テスラに次いで2位

BGI

  • ゲノム解析サービスで世界最大級の企業
  • 世界最大級の遺伝子研究所を有する

中国平安保険

  • 世界最大級の保険会社
  • 保険業をはじめ銀行業、投資業、インターネット金融業を行う

Royole

  • 薄型ディスプレイに強みをもつメーカー
  • フレキシブルディスプレイによる折りたためるスマホを開発

伝音科技

  • 携帯電話、スマートフォンのメーカー
  • 中国では製品販売されておらず、アフリカで事業展開。アフリカでシェア1位となる

深センは、中国人はもちろん、日本をはじめ世界中から注目を集める都市です。GoogleやAppleといった世界的企業の開発拠点も多数設置されています。スタートアップも多く、企業率は約15%と高水準です。

ただ、国内外から多くの企業が流入してくるぶん、競合が多いのも事実です。企業間の激しい価格競争が起こっており、レッドオーシャン化している分野も存在します。

深センはどうして発展した?深センの歴史を紹介

1970年ごろの深センは人口数万人の小さな漁村でした。

1980年代、鄧小平による「改革開放」の時代になると深センは経済特区に指定され、台湾や香港の下請けを目的とする組立工場が集まり始めます。ただ、当時は規模が小さい工房も多く、流行りの機器を真似して作る「パクり」工房も少なからずありました。しかし、政府からの後押しもあり、深センには次第に人材や技術が集まってくるようになります。電子部品のサプライチェーンが構築され、深センはものづくり拠点となっていきました。

多くの若者が集まり、東京都を超える人口密度に

深センには中国全土から多くの人材が流入し、人口は30年で30万人から1400万人に急成長。2021年の人口は約1770万人にもなりました。深センの面積は日本の東京都とほぼ同じですが、人口密度は東京都を上回るほどです。人口のほとんどは20~30代の若者で、65歳以上の人はわずか2%しかいません。若い労働力であふれた街というのが深センの特徴といえるでしょう。

深センの観光スポット10選

近代都市である深センは、テーマパークなど旅行者が楽しめるスポットも複数存在します。ここでチェックしてみましょう。

錦繍中華・中国民族文化村

錦繍中華・中国民族文化村は、深セン湾岸にあるテーマパークです。中国の観光スポットがミニチュア展示されている「錦繍中華」と、少数民族の衣装や舞踊、生活の様式が知れる「中国民族文化村」に分かれています。

錦繍中華では、万里の長城や兵馬俑、龍門石窟など、実物の15分の1のサイズのミニチュアが楽しめます。園内は広いので、散策にぴったりです。中国民族文化村は民族や文化にフォーカスしており、民族衣装や民族舞踊が見られます。

世界の窓

世界の窓は深センのテーマパークです。48ヘクタールの広大な敷地には世界各国の名所がジオラマ化して展示されており、スフィンクスやエッフェル塔、ピサの斜塔、オペラハウスなどが見られます。ショーやパフォーマンスが随所で行われており、子供から大人まで楽しめるスポットです。

深セン博物館新館

深セン博物館は、深セン市のシンボル建築ともいえる市民センターの東側に位置する近代美術館です。建築面積18,000㎡の大空間に、遺跡の出土物や生物標本、海洋資料などが展示されています。歴史・業績が最新のグラフィックや芸術的手法で表現されており、深センの歴史を知るにはピッタリのスポットとなっています。

深セン湾公園

深セン湾公園は、海辺の都市公園です。遊歩道が整備されているので、森や海などさまざまな自然景観を楽しめます。サイクリングロードもあり、サイクリングに最適です。夜は超高層ビルの夜景を眺めることもできます。

蓮花山公園

蓮花山公園は、緑豊かな自然公園です。アトラクションはないものの、150ヘクタールの広大な敷地には、緑道や広場、湖があり、自然を全身で感じられるでしょう。ゆったりと過ごしたい人におすすめのスポットです。

大芬油画村

大芬油画村は、油絵の卸売を専門に行っている街です。あちこちで人物や風景、動物の油絵が売られています。有名絵画の複製画も多く出品されており、世界の油絵の複製画のシェアの6割を占めていると言われるほどです。絵画や画材は安価で購入できるほか、見るだけでも楽しいので、観光客に人気のスポットとなっています。

華強北商業街

華強北商業街は、中国最大の電気街です。スマートフォンをはじめ、ドローンなどさまざまな電化製品が売られています。なかには、マニアックな電子パーツを扱っている店もあるので、デジタル製品に詳しい人なら楽しめるでしょう。

深圳歓楽谷

深圳歓楽谷は、1998年開業の、深セン最大の歴史あるテーマパークです。「ハッピーバレー」とも呼ばれています。園内はコンセプトごとに9つのエリアに分かれており、非常に広いので回り切るのに1日はかかるでしょう。水がかかるアトラクションが多いので、基本的に雨合羽が必要です。

仙湖植物園

仙湖植物園は、広大で自然あふれる植物園です。園内では6200種類を超える植物が育てられており、水生植物園、盆栽園、希少植物園などジャンルごとに十数か所の展示場所が設置されています。なかでも、古生物博物館は人気が高く、神秘的な植物とユニークな園内建築が見どころです。

甘坑客家小鎮

甘坑客家小鎮は、客家という民族の伝統的な建物や、商業施設が楽しめるエリアです。手軽に美しい写真が撮れるスポットとして有名なので、旅の思い出を残したい人におすすめです。

深センの治安は?

深センは中国のなかでも治安の良い地域です。ただ、スリや置き引き、客引きなど、観光客を狙った犯罪は少なからず発生しているので、日本と同じような安全意識だと被害を被る可能性もあるので注意しましょう。

最先端の取り組みをテスト施行している深センは、スマートシティ実現のため街中に監視カメラが設置されています。犯罪をすればすぐにカメラに証拠が残るので、街の治安は良くなっていっています。

日本企業が深センに進出するメリットって?

「中国のシリコンバレー」「アジアのシリコンバレー」と称されることもある深セン。中国の有名企業が複数拠点を構えているほか、AppleやGoogleなど世界的な有名企業も開発拠点を置いています。ここでは、日本企業が深センに進出するメリットについてチェックしてみましょう。

深センに進出するメリット

深セン進出には以下のようなメリットがあります。

深センの巨大市場に参入できる

深センは、TencentやHuaweiなど中国の大手企業が拠点を構える近代都市です。深セン進出のメリットは、深センという巨大市場にサービス展開できる点にあるといえるでしょう。

イノベーション創出の基盤が整っている

ものづくり企業にとっては、自社商品にイノベーションを起こせる可能性がある点も魅力といえます。深センは、電子製品の設計から出荷までを高速でできるものづくり都市です。小規模な製造下請け会社が多数存在しており、小ロットで試作品制作ができる環境が整っています。そのため、「ハードウェアのシリコンバレー」と称されるほど、ハードウェアの革新的なイノベーションが起こっているのです。たとえば、世界的ドローンメーカーとなったDJIが例に挙げられるでしょう。既存のネットワークを活用することで、革新的な製品を開発できるチャンスがあるといえます。

経済特区である

深センが経済特区である点も、中国進出を考える企業にとってはメリットといえるでしょう。ハイテク企業に認可されれば税金面で優遇が受けられます。また、外資企業の工場設立や法人立ち上げにも税金や土地など多方面で優遇があります。

深センに進出するデメリット

深セン進出にはデメリットになり得る要素もあります。

競合相手が多く競争が激しい

深セン進出のデメリットは、競争が激しい点にあるといえます。国内外からさまざまな企業が流入し、激しい価格競争が起こっているので、競争力がないと存続は難しいでしょう。

安価な労働力の確保が難しい

安価な労働力が確保しづらい点もデメリットになり得ます。開発が進んで生活水準が上がった深センは、比較的人件費が高めです。深センの発展はこれからも見込まれており、安価な労働力の確保は今後も難しいでしょう。

政府の方針変更のあおりを受けるリスクがある

政府の方針転換による影響を受けやすいというリスクも把握しておかなければなりません。中国は政府の存在が大きく、特に経済特区である深センは政府の方針転換の影響を強く受けることが予測されます。政府の方針によっては余分なプロセスやお金がかかるリスクがある点はデメリットといえるでしょう。

今後も発展が見込まれる深セン

中国政府は2019年2月に「粤港澳大湾区発展計画」を発表しました。この計画は、香港、マカオ、広東省9都市を統合し、世界3大ベイエリア(東京・サンフランシスコ・ニューヨーク)に並ぶ世界的ベイエリアを創出するという巨大な経済圏構想です。2035年までの世界的ベイエリア完成を目標としています。

計画には、該当地域の「経済力や技術力の強化」「橋の建設などによるインフラの相互接続」「現代産業システムの構築」「生活環境の向上」などが組み込まれてます。深センも同構想に含まれているので、深センは今後も政府の支援を受けつつ発展していくことが予測されています。

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