船便が港へ入稿する風景の画像

このページのまとめ

  • 越境ECにおいて物流は利益や購買要因に関わる重要なポイント
  • 配送スピードとコスト、品質のバランスを取る必要がある
  • 配送日数が国ごとに異なる点や頑丈な梱包が必要な点などが課題
  • 越境ECの物流形態は、直接発送、外部委託、現地に拠点を置く方法の主に3種類
  • 配送会社を選ぶ際はスピードやコスト以外に補償やサービス内容もチェック

越境ECにおける物流手段について検討している方に向け、このコラムでは海外配送の基礎知識や配送会社を選ぶ際のポイントを紹介しています。どのような配送方法が適しているかチェックしてみましょう。

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越境ECで物流が重要な2つの理由

越境ECとは、通販サイトを通して海外に商品を販売する、国際的な電子商取引のことです。

配送ビジネスにおいて、安定した物流の確保は重要なポイントの一つ。とりわけ越境ECは海外配送をする都合上、国内配送にはないようなリスクや注意点があるため、適した配送方法を選ぶことがより重要視される傾向にあります。

本項では、越境ECにおける物流の重要な理由を詳しく確認してみてみましょう。

物流は売上・利益に深く関わっている

ECでは、商品が購入者に届くことで売上になります。逆に、配送トラブルなどで商品が無事に届かなければ、そのぶんは売上になりません。そのうえ、ミスやトラブルが発生するようだと、顧客離れや評判の悪化に繋がり、売上の低下を招くこともあります。このように物流業務は、売上に深く影響しているのです。

また、同じ売上でも業務コストがかかってしまえば、そのぶん利益は減ってしまいます。物流に関する業務コストを削減できれば、直接的な利益アップに繋がるでしょう。

発送日数や料金は購入の決め手になる

発送日数や発送料金は、商品を買うかどうかの決め手にもなるポイントです。

越境ECは国境を超えて商品を送るため、時間がかかるうえ料金も割高になりがち。より早く安く配送することが重要になりますが、とはいえ発送が早く料金が安かったとしても、トラブルが発生してしまうと顧客のニーズを満たすことはできません。

越境ECでは、コストや発送スピード、配送の質のバランスを考え、調整をする必要があるといえます。そのうえで、自社商品と相性の良い発送方法が選択できるとベターです。

越境ECの物流で課題となるポイント3つ

越境ECの海外配送では主に以下のような点が課題になりがちです。

配送日数が国によって異なる

当然ですが、配送先の国が遠いほど、手続きや配送の手間が増えるので、配送に時間がかかってしまいます。つまり、国によって配送の時間が変わってしまうということです。越境ECでは、配送時間をターゲットとしている国ごとに明確に把握しておかなくてはなりません。

また、対象国の情勢によっては、交通規制などの影響を受け、商品到着が大幅に遅れる可能性もあります。そうした事態に適切に対応するためにも、現地の情報をリアルタイムで確認しておくことが重要とされます。

配送中破損する恐れがあるため頑丈な梱包が必要

日本の配送業者は、世界的に見ても荷物の取り扱いが丁寧です。商品は破損することなく運ばれますし、割れ物や精密機器も注意書きがあればきちんと配送されます。

一方、海外の配送業者は、荷物の取り扱いにムラがあります。荷物をやや乱雑に扱ったり、注意書きを見落としたりするので、商品が破損する恐れも。そのため、海外配送は緩衝材を詰め込んだり、強度の高いダブルフルートタイプの段ボールを使用したりして、国内配送よりも頑丈な梱包をする必要があります。

通関手続きが複雑

国境を越えて商品を送る場合、通関手続きが発生します。通関手続きは、商品や対象国によって必要書類やコストが異なるため、きちんと調べておかなくてはなりません。また、通関許可証や申請書は普段作成することのない書類なので、用意するのにも手間がかかります。スムーズに通関手続きを進めるには、通関に関する情報収集や準備が必須といえるでしょう。さらに、通関のコストは購入者の負担になることがあるため、関税額についても調べる必要があります。

また、通関手続きの複雑さに加え、通関手数料が変動してしまう点も注意したいポイント。通関手数料は通関士の判断で決まるので、料金が変動してしまう可能性もあります。

通関手続きの手間を削減するなら、海外転送を行う業者に依頼するのも手です。

越境ECで商品を発送する際に重要なポイント

越境ECの物流における課題を踏まえると、越境ECの商品発送においては以下のような点が重要といえそうです。

  • 配送コストを抑える
  • 梱包は厳重に
  • 通関の手続きや手数料を把握する

また、上記に加えて「自社商品が配送可能かどうか」を調べておくのも重要です。

商品が配送可能かどうか調べる

日本では普通に使えるものであっても、国によっては使用することができなかったり、輸入に規制がかかっている製品があります。そうした製品を発送してしまうと、税関検査で引っ掛かり、多額の保管費用が掛かったり、商品を破棄しなければならなくなったりもします。ターゲットの国を選定する段階で、自社商品が発送できるかどうか確認しておきましょう。

以下、紹介するのは輸入の規制に係る代表的な決まりです。

ワシントン条約で規制されるもの

ワシントン条約は、希少な野生動植物の取引を規制する条約です。過度な商業取引による動植物の絶滅を防ぐことを目的としています。身近なところだと「アロエ」を使った食品・化粧品が規制対象です。輸出入には手続きが必要とされます。

禁輸品

武器や麻薬、爆発物、火薬、偽造紙幣などです。

危険物

爆発のおそれのあるものや燃えやすいもの、他人に危害を与える可能性のあるものは、危険物として扱われ航空機で輸送できません。ライターやスプレー缶、花火、バッテリー、農薬などが該当します。

隠れた危険物

航空輸送には明らかな危険物のほかに、隠れた危険物とよばれるものがあります。隠れた危険物とは、主に引火性液体や高圧ガスを含むもののことを指し、たとえば、ヘアケア用品やスキンケア用品、香水、冷却・消臭スプレーなどが該当します。

越境ECの3種類の物流形態

越境ECの物流手段は大きく以下の3種類に分類されます。

自社から購入者に直接発送する

注文が入った後、民間の国際便を利用するなどして自社から商品を直接配送する方法です。現地の事業者やモールと契約する必要がないため、コストの節約になります。しかし、1回あたりの配送費は割高なうえ、複雑な通関手続きを自社または購入者が行わなければなりません。

通関手続きに対応でき、発送件数が少ないのであればおすすめの方法といえます。また、発送件数や売上が伸びてきた場合にはほかの方法に切り替えてもいいでしょう。

物流業務を外部に委託する

外部の配送業者に商品を海外配送してもらう方法です。ECサイトの運営や在庫の管理は自社で行い、配送業務だけを外部委託します。この方法には、主に2つのパターンが存在します。1つ目は、注文が入ってからECモールが国内の物流拠点に商品を送付し購入者に配送する方法。2つ目は、注文が入ってから自社が提携する事業者に商品を送り、配送する方法です。自社で配送しないぶん商品到着まで時間がかかってしまいますが、通関手続きなど面倒な対応を任せられます。

現地拠点を置き、現地の配送業者から発送する

ターゲットの国に自社の物流拠点を置き、そこにあらかじめ輸出しておいた商品を、現地の業者を通して配送する方法です。

在庫保管のコストや初期費用といった多額の費用がかかるうえ、在庫を抱える可能性もあるため、越境ECの経験がない事業者にはリスクが高くおすすめしません。一方、越境ECの経験があり、ターゲット国で売上が安定している事業者であれば、現地から配送するぶん配送時間が短縮でき、送料も抑えられるので、販売効率を上げられるでしょう。

越境ECで商品を海外に配送する方法2つ

海外に商品を送る方法は、大きく分けて航空便と船便の2種類があります。航空便と船便の特徴について確認しておきましょう。

航空便

航空便の特徴は、配送時間の短さにあります。最短で1~4日程度で世界各国に配送可能です。配送業者の種類も多く、プランもたくさんあります。ただ、船便に比べると高いコストがかかるのがネック。そのため、売上で輸送コストを補える高価な商品や、品質の劣化が早い商品に適した輸送手段といえます。

船便

船便は、大量の貨物を安く運べるのが特徴です。そのため、商業貨物の輸送には一般的に船便が用いられます。大量の商品や大型の商品を運ぶのに適した方法といえるでしょう。ただ、輸送するのに1~3ヶ月と時間がかかってしまうため、スピーディな配送には向きません。

越境ECで配送会社を選ぶポイント

本項では、配送会社を選ぶ際のポイントについて紹介します。配送コストや配送スピードはもちろん、以下の視点を踏まえたうえで配送会社を選択すると良いでしょう。

配送可能な重量、大きさ

配送サービスごとに配送可能な重量、大きさは異なります。荷物のサイズや量を加味して、適切なサービスを選択しましょう。

また、たとえば生鮮食品やDVDは海外配送できないなど、取り扱う荷物の種類も制限がある場合があるので、注意が必要です。

補償の有無、補償の範囲

海外配送では、荷物の盗難や紛失といったリスクがあるため、配送サービスにも補償があると安心です。補償が適用される範囲や補償の金額は、配送会社によってさまざま。なかには、補償がつかない代わりに送料が安い配送プランも存在します。荷物の内容も考慮しつつ、補償を付けるか送料を抑えるか決めると良いでしょう。

追跡サービスなどサービスの豊富さ

追跡サービスが付いていれば、発送者が荷物の所在を確認できるのはもちろん、追跡情報を購入者も見られるように配慮すれば、安心して利用してもらえます。また、荷物の受け取り時間や、受け取り方法を変更できるサービスを選択すれば、顧客満足度アップにも繋がります。

越境ECで海外発送できる配送業者

海外発送できる配送業者や配送サービスについて概要を解説します。

日本郵便

万国郵便連合(UPU)に加盟している日本郵便は、海外配送も行っています。多様な配送サービスがあるなかで、越境ECで利用されるのは主に以下の7つです。

EMS(国際スピード郵便)

EMS(国際スピード郵便)は、世界120以上の国や地域に、30kgまでの荷物を配送できます。手続き語最短2~4日で届けられる早さが特徴。追跡サービスや、最大200万円までの損害賠償制度もあるため、越境ECで利用されることが多いサービスです。

国際eパケット

国際eパケットは、国際郵便マイページサービスで専用ラベル一式を印刷して利用できます。重さ2kgまで、縦横高さ90cm以内の小型包装を配送可能。一部地域での追跡や、6,000円を限度とした補償制度もあります。EMSより安く、エコノミー航空(SAL)便より早く届けられるため、越境ECでも利用が多いです。

国際eパケットライト

国際eパケットライトは、扱う荷物の重量やサイズは「国際eパケット」と同じです。

こちらは商品を郵便受け箱に配達するため、受取人が不在でも配達できます。また、損害賠償や複数配送による割引がないほか、エコノミー航空(SAL)便扱いのため、届くのに2~3週間かかります。料金は国際eパケットよりも安いです。

航空便

航空便は、2kg以上の大きな荷物も送れて、サイズの制限が広いのが特徴です。エコノミー航空(SAL)便よりも早く、3~6日程度で届けられます。料金が高めなので、荷物の内容や配送時間を検討したうえで選択すると良いでしょう。

エコノミー航空(SAL)便

エコノミー航空(SAL)便は、航空機の空きスペースを活用したり、ハブ空港を利用したりしてコストを削減した配送方法。届くまで6~13日程度かかりますが、船便より早く、航空便より安いのが特徴です。荷物は、日本国内と到着国内では船便として扱われ、両国間は航空輸送されます。

UGX(ゆうグローバルエクスプレス)

UGX(ゆうグローバルエクスプレス)は、法人向けに多彩な機能をプラスした国際配送サービスです。荷送人が関税を負担し、荷受人の負担を避けられる「関税元払い」に対応しているほか、「複数個口扱い」でコストも削減できます。EMSでサイズオーバーしてしまう細長い形状の商品や、重い荷物も輸送可能です。

船便

船便は、荷物を船で運ぶ方法で、配送コストが安い反面、届くのに1~3ヶ月かかってしまいます。大型の貨物や、個数の多い商品などを配送する場合に適した方法です。

佐川急便:飛脚国際宅配便

佐川急便の飛脚国際宅配便は、世界220以上の国や地域に、ドアtoドアで配送可能なサービスです。1梱包につき、3辺の合計が260cm以内、重量50kg以内まで配送可能(複数個口は総重量500kgまで)。料金は重量0.5kg刻みで決まります。ただ、個人購入の場合は、アジア一部地域・USA・EU加盟国のみ配送可能なので注意しましょう。

ヤマト運輸:国際宅急便

ヤマト運輸の国際宅急便は、世界220以上の国や地域にドアtoドアで配送可能なサービスです。縦・横・高さの合計が160cm以内・重量25kgまで配送可能。また、紙の書類だけなら、書類パックというお得なサービスも利用できます。依頼すれば自社まで集荷に来てくれますが、ヤマト運輸直営店に持ち込めば荷物1個あたりの割引もあります。なかには、発送者・受取人のいずれかが個人の場合、書類以外の荷物を配送できない国もあるので注意しましょう。

DHL

DHLは世界220以上の国や地域に対応しているドイツの国際配送会社です。最短で翌日、長くても5日程度で商品を送れる配送の早さが特徴。荷物の追跡機能があり、発送者と購入者の両方で確認できるので便利です。DHLサービスポイントは全国約170ヶ所存在するほか、東京・横浜・名古屋・京都・大阪・神戸の6都市にある店舗の一部では24時間集荷も行っています。

配送サービスの種類も多く、最も早い便で輸送する「DHL Same Day Jetline」や、重い荷物が運べる「DHL Express Worldwide」、書類のみを送れる「DHL Express Envelope」などさまざまなプランがあるため、目的に応じて適したものを選択しましょう。

FedEx

FedExは、アメリカに拠点を置く世界最大手の配送会社です。世界220ヶ国以上に配送対応しています。複数の配送サービスがあり、たとえば「フェデックス・インターナショナル・ファースト」では、縦・横・高さ330cmまで、重量68kgまでの荷物を1~3営業日程度でスピーディに配送可能。追跡機能もあるため安心です。

ほかにも、重量68kg以上の大型荷物に対応した「フェデックス・インターナショナル・プライオリティ・フレイト(IPF)」や、価格重視の「フェデックス・インターナショナル・エコノミー」などがあります。

UPS

UPSは、アメリカに拠点を置く大手の国際配送会社です。

URLが提供する配送サービスのうち、最速の「UPS Worldwide Express Plus」では、3辺が400cm以内(最長辺274cmまで)・重量70kg以内の荷物を、1~3営業日の午前中(最速午前8時)までに配送可能。配送先はGDP上位20か国に限定されますが、配送の早さが特徴のサービスです。

ほかにも、70kgを超える荷物を1~3営業日中に配送可能な「UPS Worldwide Express Freight」や、3~5営業日で配達できる経済的なプラン「UPS Worldwide Expedited」などもあります。

複数の配送業者を利用するのも手

越境ECでは、配送スピードや料金、品質のバランスを取ったうえで、自社商品に適した配送サービスを選択できるのが望ましいといえます。

ただし、1つの配送サービスを利用し続けることが常に最適とは限りません。利用している配送サービスが値上げしたり、国際情勢によって物流が遅延したりするリスクもあるため、配送の手段は複数あったほうが良いでしょう。複数の配送業者を利用し配送の代替手段を用意しておけば、リスク回避に繋がります。

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