このページのまとめ

  • 上海の賃貸物件には、「分譲マンション」と「サービスアパートメント」がある
  • 上海の浦西地区や浦東新区は日本人に人気のエリアで、外国人向けの賃貸物件も多い
  • 建物や設備の品質が低いことが多く、故障やトラブルはつきものと理解しておく
  • 上海の賃貸物件はニーズが高いため、契約時はスピード感を持った対応が求められる

上海で賃貸物件を借りて生活することを視野に入れていても、土地勘がない人にとってはどこに住めば良いか見当もつかないもの。このコラムでは、日本人におすすめのエリアや家賃相場を詳しく解説します。また、上海で日本人が遭遇しがちなトラブルや、あらかじめ把握しておくべき注意点についても解説するので、上海での生活を考えている人は参考にしてみてください。

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上海の賃貸物件の種類

上海は多くの外国人が居住しており、賃貸物件の数も多々あります。ただし、賃貸物件と一口に言ってもその種類は大きく2つに分けられ、それぞれ特徴も異なるので要注意。ここでは上海で賃貸を契約する際に知っておくべき物件の種類について解説します。

分譲賃貸マンション

上海で出されている賃貸物件は、基本的に分譲マンションの一室。日本の賃貸アパート(マンション)と同じ形式で、オーナーが所有している建物の各部屋を契約者に貸し出します。設備の充実度や雰囲気、投資の程度は、オーナーによってさまざまです。家賃はピンキリであり、数万円で住める物件もありますが、その分設備や環境に不安があることも多いため、価格だけで決めないよう注意しましょう。

賃貸マンションには法人が経営するディベロッパー物件と個人オーナー物件があります。ディベロッパー物件は日本人向けのものもあり、その場合は日本語でコミュニケーションが取れますが、個人オーナーの場合は中国語対応のみの場合がほとんど。上海で分譲賃貸マンションを選ぶときは、オーナーが法人か個人かも確認しておくと安心です。

サービスアパートメント(酒店式公寓)

サービスアパートメントとは、ホテルで提供されているようなサービスが受けられるマンションのことを指します。フロントが設置されていたり、リネン交換・掃除をしてもらえたりするのが特徴です。

基本的に外国人向けマンションとして利用されており、ホテルの一室を賃貸物件としているパターンと、マンション全体をサービスアパートメントとしているパターンの2つがあります。当然ホテルを活用している前者のほうが家賃は高めに設定されています。なお、サービスアパートメントのフロントには日本語対応ができる人を配置していることもあるので、中国語に不安がある状態で上海に行く人には特におすすめの賃貸物件です。

上海における賃貸物件の家賃相場

日本と同様、上海の家賃は物件の地域や間取り、設備、築年数によって変わります。中国の中でも上海は、その近代的で魅力的な様から“魔都”と呼ばれるほど発展した土地です。そのため、賃貸物件の家賃もやや高めに設定されています。以下で上海の家賃平均や相場について解説するので、これから上海で賃貸物件を探す予定の方は参考にしてみてください。

上海全体の家賃平均

青岛禧泰房地产数据有限公司によると、上海全土の家賃平均は7,322元/月。あくまでもこの家賃は上海全体の平均であり、地域によってかなり差が大きな差があります。広大な中国では一つひとつの市自体も広く、上海市だけでも東京都の約3倍の面積を誇ります。郊外は家賃が低めに設定されていますが、治安が良くないことも多いため、できるだけ都心を選ぶのが安心です。日本人が多く住んでいるエリアについては「上海市内で日本人におすすめのエリア」の項で詳しく解説します。

上海市における間取り別の家賃相場

賃貸物件は、地域はもちろん間取りによっても家賃が変わります。以下でおおよその金額を紹介するので参考程度にチェックしておきましょう。日本では1Rや1Kなど単身者向けの賃貸物件が多々ありますが、上海では2人以上の居住を想定した物件のほうが多い傾向にあります。

間取り家賃相場(元)
1LDK12,000~18,000
2LDK15,000~30,000
3LDK~20,000~

中国語で家賃は「租金」と表されます。物件を探す際は「租金」の部分を必ず確認しましょう。なお、上海では基本的に共益費が家賃に含まれているものの、敷金・礼金は別途かかります。敷金・礼金は賃貸料の2ヶ月分が相場とされているので、契約時の支払い額も想定したうえで物件探しを行いましょう。

上海市内で日本人におすすめのエリア

上海市内には日本人も多く住んでおり、外務省の統計によると、その人数は3万9,801人。しかし、多くの日本人がいるからといって、どこに住んでも安心で快適とは限りません。日本人が多いエリアであれば日系スーパーがあったり、日本語が通じることもあったりするので、上海に住む際は日本人に人気のエリアを選ぶのがおすすめです。以下で具体的な地区や区について、平均家賃もあわせて解説します。

浦西地区(黄浦区・徐匯区・長寧区・静安区など)

黄浦江の西岸に位置する浦西地区は、多くの観光スポットがあり、外国人が多く住んでいるエリアです。日本人も多く住んでいるので、これから上海市で賃貸物件を借りようと考えている方におすすめ。黄浦区・徐匯区・長寧区・静安区・普陀区・虹口区・楊浦区の7つの区で成り立っており、その中でも特に、長寧区にある「虹橋・古北エリア」は日本人に人気のエリアです。日系企業や日本人学校もあるため、単身者のみならずファミリーも生活がしやすいでしょう。

各地区における賃貸物件の平均家賃は以下のとおりです。

地区平均家賃(元/月)
黄浦区13,356
徐匯区9,319
長寧区10,295
静安区10,414
普陀区7,507
虹口区8,630
楊浦区7,705

参考:青岛禧泰房地产数据有限公司

長寧区と同様、静安区や黄浦区、徐匯区も日本人に人気ですが、人気エリアは一貫して家賃が高め。街の治安や生活のしやすさを考えると多少の家賃は仕方ないと考える日本人が多いようです。

浦東新区

黄浦江の東岸に位置する浦東新区も、多くの日本人が生活をしている場所です。浦西地区に比べると住んでいる日本人は少ないものの、上海経済の中心地であり高層ビル群として有名な「陸家嘴(りっかし)」や上海浦東国際空港がある栄えたエリア。上海ディズニーリゾートがあるのも、この浦東新区です。浦東新区における賃貸物件の平均家賃は、6,817元/月。浦西地区に比べると安く感じるかもしれませんが、あくまで平均値のため参考程度に頭に入れておきましょう。

上海で日本人が直面しがちな賃貸トラブル

上海の賃貸契約と日本の賃貸契約では、慣習が異なる部分が多々あります。日本では当たり前だと思っていることであっても上海では当たり前でなく、トラブルになってしまった日本人も多いようです。以下で、よくあるトラブルについて解説するので、ある程度は心づもりをしておきましょう。

家電や家具の修理費が自己負担になることも

上海の賃貸物件では、家具や家電が備え付けであるのが一般的ですが、その修理費が自己負担になることが多々あります。なお、上海では賃貸物件の設備故障はよくあること。多いときは月に1~2回起こることもあるほどなので、事前に故障の際の対応についてよく話したうえで契約を進めましょう。

押さえておいてもらったはずの物件が埋まる

上海で賃貸物件を“押さえたつもり”であったにも関わらず、いざ契約しようとしたら他者がすでに契約していたというトラブルも起こりがちです。日本で賃貸物件を探す際、契約に迷ったら仮押さえや保留にできる場合がほとんどですが、上海ではその制度はありません。上海では日本よりも経済合理性を重視する傾向があるため、いち早く契約に至る希望者を優先します。

水漏れやつまりが頻繁に起こる

日本と比べると設備の質が劣る上海では、水回りのトラブルもよく起こること。蛇口の水が止まらなくなったり、トイレが詰まって流れなくなったりすることはもはや日常茶飯事です。トラブルが起こったらオーナーや管理会社に連絡をしますが、「休みの日の対応はどうするべきなのか」「費用は負担してもらえるのか」など入居前によく確認するようにしましょう。

家賃が急に高くなる

上海では、賃貸の契約更新時に家賃が大幅に値上がりすることもあります。上海の賃貸物件市場は、売り手市場であり、物件に対して契約希望者が多数いる状態です。さらに、先述した上海のビジネス傾向も相まって「この家賃で納得できないなら、別の契約者に渡します」というスタンス。多少なら交渉に応じてくれるオーナーもいるようですが、基本的にオーナーの意見が覆ることはないと思っておきましょう。

クレームを入れても改善されない

日本では住環境に問題が生じた場合、管理会社にクレームを入れると対応してもらえることがほとんどですが上海ではそうではありません。上海に限らず中国では基本的に“もてなす側が上位”と考えます。「お客様に契約していただいている」と考える日本とは真逆の考え方が根付いていることは理解しておくようにしましょう。

日本と中国の文化の違いについては「中国人の仕事に対する考え方の違いとは?中国の求人の探し方も解説」でも解説しているので、中国に行く予定の人はあらかじめチェックしておくと安心です。

日本人価格を設定されてしまうことがある

「不動産会社に言われるがまま契約をしたら、日本人価格だった…」というトラブルも時には起こり得ます。中国では日本人に対して豊かなイメージを抱いている人も多いがゆえに、金額を上乗せされてしまうことも。もちろんすべての不動産会社がそうとは限りませんが、契約をする際に少しでも違和感を感じたら納得いくまで確認するようにしましょう。

上海で賃貸契約をするときの注意点

根付いている文化も慣習も異なる上海で、賃貸契約をする際の注意点を解説します。「言われるがままになんとなく…」で契約をすると、後々トラブルに発展しかねないため、あらかじめ日本との違いについて把握したうえで契約書にサインをしましょう。

日本とはスピード感が異なることを理解しておく

先述のとおり、上海の賃貸物件市場は売り手市場であるため、日本とはスピード感がまったく異なります。特に上海の物件は設備が整っていることからニーズが高く、条件が良い物件は一瞬にして埋まってしまうほど。「とりあえず別の物件を見てから…」とのんびりしていると、良い物件はなくなってしまうので、気に入った物件があればその場で契約の話を進めるのが得策です。

賃貸物件を探す際はしっかり借りる意思を見せる

オーナーや管理会社に「契約する気がなさそう」と判断された場合、良い物件を紹介してもらえない可能性があるため、内見は契約に前向きな態度で臨みましょう。なお、上海では、物件を保留する制度はありませんが、申込金(意向金)を支払えば物件を押さえておくことができます。ただし、契約をしなかった場合、申込金は返金されないので、それを踏まえたうえで判断してください。

いずれにせよ「ちょっと見てみるだけ」という気持ちで賃貸物件の内見を依頼するのは、おすすめできません。

途中退去は違約金が発生する

日本では退去の数ヶ月前に申し出れば、賃貸物件の途中解約が可能ですが、上海では原則不可です。基本的に更新のタイミングでしか退去の判断ができず、それ以外の場合は違約金が発生します。オーナーによっては更新時以外の解約自体を不可としていることもあるため、契約期間や解約金についてはあらかじめ確認しておくようにしましょう。

中国語に不慣れな人は日本人向け不動産会社を利用する

中国語が堪能でない人が中国語で契約をするとトラブルになりかねないため、日本人向けの不動産会社を利用するのがおすすめです。日本人向けの不動産会社であれば、日本語で対応してもらえるだけでなく、日本と中国の慣習の違いを事前に説明してもらえる安心感もあります。日本人が多く住んでいる賃貸物件を紹介してもらえば、より戸惑いは少なくなるでしょう。

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