このページのまとめ
- 商社は、モノやサービスの売り買いを仲介する会社
- 海外企業とのグローバルな取引も多い
- 中国企業と取引をすることもあるので、中国語人材のニーズはある
- 中国でのビジネスに強みのある商社なら、中国語のスキルは評価される可能性が高い
- 「中国語検定」なら2級以上、「HSK」なら5級以上あればアピール材料になる
商社への就職に中国語のスキルが活かせるか知りたい方に向け、商社の仕事や求められるスキルについて解説します。コラムを読んで、商社の仕事内容や中国語の活かし方についてチェックしましょう。
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商社とは?
商社とは、モノやサービスの売り買いを仲介する会社です。
「製品を売りたい企業」と「製品を買いたい企業」の間に立ち、マッチングをサポートします。その仲介手数料や売買差益によって、収益をあげるというビジネスモデルです。取引は国内だけの場合もありますが、グローバルな取引も盛んに行われています。
近年は、メーカーが自社製品を販売するケースも増えているため、商社の仕事と混同されることがあります。しかし、商社は自社で製造はしません。製品を調達し販売するのが主な仕事です。
総合商社と専門商社
商社は、「総合商社」と「専門商社」に分けられます。商社で働きたい人はそれぞれの違いについて押さえておきましょう。
総合商社
総合商社は、幅広い商材を扱う商社を指します。扱う商材は、ガスや金属、食料、アパレルなどさまざま。「カップラーメンからロケットまで」という言葉があるほど、ジャンルを問わず、幅広い領域に進出しています。
総合商社は、一般的には大手の七大商社のことを指します。
「三菱商事」「三井物産」「伊藤忠商事」「住友商事」「丸紅」の5社を五大商事、それに「豊田通商」と「双日」を加えた7社を七大商社と呼び分けます。
専門商社
専門商社は、特定の分野や商品に特化した商社のことです。総合商社とは異なり、専門性を活かすことで、コストの削減や利益率の向上、専門性の高いサービスの提供などを実現しています。
専門商社の種類としては、食品商社、鉄鋼商社、機械商社、繊維商社などがあります。専門商社といっても、商品が一つとは限りません。複数の商品を扱っている場合もあります。専門商社への就職を目指す人は、扱っている商材について一通り調べておくといいでしょう。
商社のビジネスモデル
商社には「トレーディング」と「事業投資」という2つのビジネスモデルがあります。
トレーディング
トレーディングは、売り買いの仲介をする、商社の伝統的なビジネスです。仲介手数料やマージン(差益)で利益を上げます。取引は国内にとどまらず、海外から原材料や製品を輸入することもあります。商社のもつ国際的なネットワークを活かしたビジネスモデルといえるでしょう。
トレーディングは、モノを右から左に流すだけのビジネスではありません。商社の資金力を使って、付加価値を与えます。輸送手段の手配や輸出入の手続き、保険の提供なども行います。
トレーディングは、専門商社の主要なビジネスです。一方、総合商社は、トレーディングと事業投資を組み合わせたモデルが一般的となっています。
事業投資
総合商社の事業投資は、継続的な経営参画を念頭におきながら、ある企業へ投資を行うビジネスです。資金の注入だけでなく、人的支援や情報提供なども行い、総合的に経営に参画します。
事業投資は、資金価値の上昇によるキャピタルゲインや、配当金などによって利益をあげる仕組みです。また、複数の企業に分散投資することで、グループ会社としてのシナジー創出もねらっています。既存ビジネスのかけ合わせによって、新規ビジネスの開拓が期待されるのです。
商社の職種
商社業界の職種は以下のようなものがあります。
- 営業
- 事業企画
- 営業事務・貿易事務
商社業界の仕事は営業職が目立ちますが、プロジェクトの立案をする「事業企画」、通関手続きをする「貿易事務」など、さまざまな職種によって成り立っています。
営業
営業は商社の代表的な職種といえます。売り手と買い手の間に立ち、2社の要望を聞きながら交渉する仕事です。仕事は外回りが中心で、世界を舞台に活躍することもあります。数億円単位の大きなプロジェクトに関われる機会もあるため、やりがいのある仕事といえるでしょう。
事業企画
事業企画は、プロジェクトの企画立案をする仕事です。どのような分野に進出するかを検討したうえで、取引先企業の選別を行います。また、他企業への投資計画を立てるのも事業企画の仕事内容です。取引先企業の経営計画を立てるなど、コンサルティング業務を担うこともあります。
営業事務・貿易事務
営業事務は、営業職をサポートする仕事です。電話応対や書類作成などのデスクワークを担当します。海外との取引がある場合は、語学力が求められる場合もあります。
輸出入をする商社では、貿易事務も重要な職種といえます。貿易事務は、通関業務を担当する職種です。通関についての幅広い知識や、語学力が必要とされます。
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中国語のスキルは商社への就職に活かせる?
結論からいえば、中国語のスキルは商社への就職に活かせる可能性が高いといえます。
商社は、海外企業との取引が多い業種です。中国企業とのやり取りがある商社も多く、そういった企業では中国語が話せる人材に高いニーズがあります。英語を話せる人は多いですが、中国語を話せる人はまだそこまで多くはないので、中国語のスキルがあればアピールポイントとなるでしょう。
「中国」が強みの商社なら評価されやすい
商社はそれぞれ地域ごとに強みと弱みを持っています。中国でのビジネスを強みとしている商社なら、中国語のスキルは評価される可能性が高いといえるでしょう。
中国でのビジネスを強みとしている商社といえば、総合商社の「伊藤忠商事」が挙げられます。伊藤忠商事は、グローバル人材の育成に積極的で、特に中国語教育に力を入れていることで有名です。中国語レッスンや中国への研修派遣などを通して、多くの中国語人材を育成しています。
中国語のスキルを活かして就職したい人は、企業研究をしっかりして、スキルが評価される仕事を選ぶようにしましょう。
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商社で働くのに必要な中国語のレベル
中国語のスキルをアピールするなら、資格試験を受けることをおすすめします。客観的なスコアとしてアピールすることで、評価されやすくなるでしょう。
ここでは商社で働くのに必要な中国語のレベルについて紹介します。日本で知名度の高い2つの試験「中国語検定」と「HSK」について紹介するので、ぜひ参考にしてください。
中国語検定:2級以上
中国語検定(中検)は、日本中国語検定協会が主催する検定です。準4級~1級までの6レベルがあり、一般的には3級以上あれば就職に活かせるとされています。ただ、商社に就職する場合は2級以上、より専門的な業務に携わる場合はそれ以上のレベルがあるといいでしょう。
中検は、日本人を対象とした試験なので、日本語と中国語の翻訳能力が測られます。そのため、日本企業に所属して中国語を用いる場合は中検の受験を検討しましょう。
HSK:5級以上
HSKは、中国政府教育部の直属機関が運営する中国語の検定です。1級~6級までの6レベルがあり、商社で働く場合は5級以上が必要なレベルの目安とされます。
HSKは、世界共通の試験で、問題文も中国語で出題されます。そのため、日本語の翻訳問題はありません。世界で通用する資格なので、中国現地に行って働きたい人などにおすすめの検定といえます。
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商社で働くのに必要なスキル
商社で働くのに活かせるスキルは中国語以外にもさまざまあります。ここで具体的に紹介するので、自己アピールに活かしましょう。
英語力
商社は海外企業との取引も多いため、英語力は評価される可能性が高いといえます。目安としては、TOEICで600点以上を取得していれば就職でアピールすることができるでしょう。
中国語のスキルを活かせるようなグローバルなビジネスシーンでは、英語を使う機会もあります。英語のスキルを習得しておけば、キャリアの選択肢が広がるでしょう。
コミュニケーション能力
商社は、営業職が多いため、コミュニケーションスキルが重要とされます。特に商社は特定の商材を持たないため、相手のニーズを聞き出す傾聴力が肝心です。相手の立場に立ち、親身になって対応できるような人が求められます。
プレゼンテーション能力
商社の営業職には、プレゼンテーション能力も必要です。ニーズを聞き出すだけでなく、商材がいかに相手の企業に利益をもたらすか具体的に解説する能力があると良いでしょう。
体力
商社では、取引のために日本国内や海外を飛び回ることもあります。体力がないと、移動だけで疲れてしまうでしょう。体力に自信のある人のほうが働きやすいといえます。
異文化への理解
海外企業との取引をする場合、その国の文化や商習慣についての理解も必要とされます。相手国の文化を理解していないと、知らないうちに失礼な振る舞いをしてしまうかもしれません。取引先の国について詳しく調べておきましょう。海外で生活した経験などがあれば、アピールポイントになる可能性があります。
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