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  • ベトナムの平均年収は日本円に換算すると25万3,800円ほど
  • ベトナムの平均年収は農村部より都市部が高く、所得格差が大きくなっている
  • ベトナム駐在員の平均年収は約994万円と世界的に見ても高い

ベトナムといえば物価が安いというイメージを持つ人が多いと思いますが、平均年収も日本と比べて安い傾向にあります。この記事では実際ベトナムの年収はどのくらいなのか、現地の平均年収や地域別の平均年収など項目に分けて解説します。ベトナム駐在員の平均年収についても扱っているので、ベトナムで働く人の給与事情について理解を深めましょう。

ベトナムの平均年収はいくら?

ベトナムは他国と比較すると平均年収が低く、人件費が安いため、グローバル企業が製造拠点や営業拠点を置くケースが多く、近年はIT企業のオフショア開発の拠点にもなっています。実際、ベトナム現地の平均年収を解説します。

ベトナム現地の平均年収

日本貿易振興機構(JETRO)が発表している2010年から2020年までのベトナムの1人当たり月間平均所得を一部抜粋して以下で紹介します。(日本円への換算は1ドン=0.005円として計算しています)

(単位:1,000ドン)

エリア2010年2012年2014年2016年2018年 2020年
全国1,3872,0002,6373,0983,8744,230

上記を見ると、2020年のベトナムの1人当たりの月間平均所得は423万ドンとなっています。これは日本円に換算すると21,150円で、平均年収にすると25万3,800円です。日本の基準で考えるとまだ低い金額ですが、2010年の月間平均所得の138.7万ドンと比較すると、10年間で3倍以上になっていることが分かります。地域や職業によっても所得は異なるものの、ベトナムの経済成長に伴って確実に所得は上がっているといえるでしょう。

参照元:日本貿易振興機構-ビジネス短信」添付資

地域別の平均年収

それでは、地域によってどのくらい平均年収の差はあるのでしょうか。下記は日本貿易振興機構(JETRO)が発表しているベトナムの1人当たり月間平均所得の中から、2010年と2020年のエリア・所得階層別の所得を一部抜粋したものです。所得階層については、下位20%の所得階層をグループ1として、その後20%ごとにグループ5まで区分しています。今回は全国の都市部と農村部の平均所得に加えて、各地域のグループ1とグループ5のみの平均所得のデータを抽出しています。

(単位:1,000ドン)

エリア/所得階層2010年2020年
全国(都市部)2,1305,538
全国(農村部)1,0703,480
全国(グループ1)3691,139
全国(グループ5)3,4109,108
ハノイ市(グループ1)5422,314
ハノイ市(グループ5)4,83412,060
ホーチミン市(グループ1)9653,406
ホーチミン市(グループ5)6,42911,868

上記を見ると、2020年の月間平均所得は都市部が5,538万ドン、農村部は3,480万ドンで、都市部の収入は農村部の約1.6倍になっていることが分かります。全国的に見てもグループ1の所得が113.9万ドルなのに対し、グループ5のは910.8万ドルと約9倍であり、所得格差が開いています。これは月間平均所得ですが、平均年収に換算しても同じことがいえるでしょう。また、ハノイ市・ホーチミン市の所得は全国水準よりも高くなっており、グループ5の所得は日本円の平均年収に換算するとハノイ市が723,600円、ホーチミン市が712,080円ほど。全国の平均年収25万3,800円を大きく上回る結果になっています。

ベトナムで平均年収が高い業界

ベトナムでも日本と同じく、高い収入を得られる仕事はあります。平均年収が高い業界とその背景について解説します。

金融・銀行・保険業

日本でも金融業界の平均年収はほかと比べて高い水準にありますが、ベトナムでも同様です。ベトナムでは中央銀行のベトナム国家銀行の影響力が強く、かつては一行で中央銀行と商業銀行の両方の機能を担っていました。1986年のドイモイ(刷新)政策採択後には民間資本も参入するようになりましたが、その後もベトナム中央銀行の持ち株率が50%以上を占める銀行が多くなっています。ベトナムの金融機関、特にメガバンクは多くが元国営だった経緯を持つことから、規模が大きく安定しており、平均年収も高いといえるでしょう。

発電・配電・ガス等

ベトナムでは国営の「ベトナム電力総公社(EVN)」が発電市場の60%前後を占めています。また、電力やガスへの新規参入は設備投資のコストがかかり、簡単に新規参入はできません。そのため、インフラ関係の企業は安定しており、年収も高い傾向にあります。

情報通信業

技術の発展に伴い、情報通信業、とりわけITエンジニアの需要が増しています。IT関連の仕事は海外企業からの依頼があるので、海外企業に合わせて高額な費用で受注できます。そのため、ほかの業界に比べて平均年収も高くなりやすいのが特徴です。特に外国語が堪能な人であれば、ベトナム現地で海外企業との橋渡し役を担うブリッジSEとして、ITエンジニアの中でもさらに高い収入を得ることができます。

ベトナムの最低賃金

では、そもそもベトナムの最低賃金はいくらなのでしょうか。ベトナム政府では、毎年最低賃金を改定しています。2021年度の月額最低賃金は、ハノイ市、ハイフォン市、ホーチミン市などの地域は442万ドン、ダナン市、バクニン省などは392万ドン、ハナム省などは343万ドン、それ以外の地域は307万ドンでした。最低賃金は2008年から2020年まで連続して引き上げられています。2021年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、据え置きになったものの、最低賃金は上昇傾向にあります。

参照元:日本貿易振興機構-「ビジネス短信」添付資料

ベトナムの物価・生活費

ベトナムの平均年収は日本の水準と比較すれば低いものの、物価や生活費も安ければ問題なく生活することができます。実際、ベトナムの物価や生活費はどのくらいなのでしょうか。物価については、世界の生活費を比較するウェブサイト「Numbeo」でアメリカ合衆国・ニューヨークを100とした場合の世界各都市の物価を比較したデータの「生活費プラス家賃指数」において東京・日本が67.72に対し、ベトナム・ハノイは25.54でした。このことから、ベトナムの物価は日本の約3分の1、アメリカ合衆国の約4分の1であることが分かります。

また、ベトナムの生活費については「Numbeo」の2020年版の「世界で最も生活費の高い都市ランキング」のデータによると、ホーチミン市の平均生活費は4人家族の場合月3800万ドン、1人暮らしの場合は1100万ドンとなっています。日本貿易振興機構(JETRO)が発表しているベトナムの1人当たり月間平均所得のデータによれば、ホーチミン市の月間平均所得は653.7万ドンでした。上位20%の高所得層であれば、月間平均所得は1186.8万ドンなので生活は可能ですが、多くの人にとってはかなり生活は厳しいようです。また、ベトナム人の交通手段として欠かせないバイクをはじめとして、スマートフォンなどの海外から輸入された製品は海外の価格設定で売られているため、ベトナムの平均程度の年収で購入するには、負担が大きくなります。

参照元:Numbeo-2021年度半ばの都市別の生活費と家賃指数

関連記事:ベトナムの1ヶ月の生活費はいくらかかる?物価についても解説!

ベトナム駐在員の平均年収

ベトナムの駐在員はベトナム現地企業で働く人よりも年収が高い傾向にあります。イギリスの銀行HSBCが2018年に発表した調査によると、海外企業も含めたベトナム駐在員の平均年収は約994万5000円で、世界第16位にランクインしました。また、ドイツの調査会社インターネーションズ(InterNations)が発表した駐在員が住みやすい・働きやすい海外居住地のランキング「エクスパット・インサイダー(Expat Insider)」2021年版でも、59カ国中10位になっており、特に「現地の生活費」「個人収支」の項目では1位を記録しています。

ベトナムの物価は日本の3分の1程度、アメリカの4分の1程度と安いですが、駐在員には母国企業の給与水準と同じ給与が払われるうえ、家賃手当や駐在手当も付くので、待遇面はかなり恵まれています。こうした条件面の良さが駐在員の高い満足度につながっているといえるでしょう。

参照元:InterNations-エクスパット・インサイダー(Expat Insider)2021年版

関連記事:ベトナム駐在員になるには?ベトナム勤務を目指す方法とメリット・デメリット

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