中国国家市場監督管理総局（SAMR）の概要について紹介！

このページのまとめ

• 国家市場監督管理総局は市場の監督管理および関連法規の執行などを行う機関
• 日本の内閣に相当する「国務院」直属の機関
• 工商局をはじめ、各機関に分散していた機能を集約する形で設立された
• 独占禁止法の施行も統一して行われるようになった

中国国家市場監督管理総局（SAMR）の概要について解説します。どのような役割をもった機関なのか、中国進出を検討している事業者様はチェックしておきましょう。

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国家市場監督管理総局（SAMR）とは？

国家市場監督管理総局（SAMR）は、市場の監督管理および関連法規の執行などを行う、国務院直属の機関です。

設立されたのは2018年のこと。ビジネスにおけるさまざまな分野の監督管理を行ってきた「国家工商行政管理総局（SAIC）」をはじめ、「国家質量監督検験検疫総局（AQSIQ）」「国家食品薬品監督管理総局（CFDA）」の機能を統合するかたちで設立されました。

日本企業においては、以下の内容に関する法務の執行は、国家市場監督管理総局が担当します。

• 企業や駐在員事務所の登記
• 独占禁止法
• 不正競争防止法
• 特許・商標
• 広告法
• 食品安全監督管理
• 薬品の登記および監督管理

独占禁止法の施行についても、以前は「国家発展改革委員会」「国家工商行政管理総局」「商務部」の3機関で分掌されている状態でしたが、市場監督管理総局の設立によって統一して執行することとなりました。

また、特許や商標に関する職責も統合され、国家市場監督管理総局の所轄となる「国家知的財産権局（CNIPA）」が設立されました。

参照元
日本貿易振興機構(ジェトロ) 「中国国家機構改革の最新動向」

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国家市場監督管理総局の主な任務・責任

国家市場監督管理総局は以下のような職責を持っています。

1.市場の総合的な監督管理

• 市場の監督・管理に関する関連法規の草案作成
• 関連規制、政策、基準の策定
• 品質や食品に関する安全性・信頼性の標準化戦略の実施

2.市場主体（経営法人など）の統一的な登録を担当

• 各種企業、農村部の農村合作社、個人経営者、外国企業の常駐駐在員事務所などの登録作業の指導・登録の管理
• 市場主体のための情報開示・共有メカニズムの確立
• 市場主体のための信用システムの構築促進

3.市場監督における法執行業務の組織・指導

• 地方市場の監督管理組織内における法執行部門の設立を指導
• 統一的な市場監督の実施を促進
• 違法事件の捜査・処理
• 市場監督行政の法執行行為を標準化

4.独占行為に関する監督管理

• 競争政策の実施を調整促進
• 公正な競争レビュー制度を指導
• 独占行為についての調査を行い、独占禁止法の執行業務を担当
• 海外での独占禁止法訴訟への対応について指導
• 国務院独占禁止委員会の日常業務を担当

5.市場注文の監督管理

• 法に基づいて市場取引、オンライン商品取引、関連サービスの監督・管理を行う
• 価格・課金規制の違反、不正競争、違反直販、マルチ販売、商標・特許・知的財産権の侵害などについての調査・処分
• 広告業界の発展を指導し、広告活動を監督・管理
• 無許可の生産・運営についての調査・処分
• 消費者の権利保護の活動実施について、中国消費者協会に指導

6.マクロ的な視野による品質管理を担当

• 質の高い開発をするための制度的措置を立案、実施
• 国レベルでの品質保持体制の構築・適用を計画し、関連部門と協力して主要な製造設備の品質管理システムを構築する
• 重大な品質事故について調査し、欠陥製品のリコール制度を確立する
• 製品の偽造防止を監督・管理

7.製品の品質と安全性の監督管理

• 品質の等級制度、トレーサビリティ制度の導入を確立、実施する
• 工業製品の生産ライセンスの管理を指導
• 繊維品質の監督を担当

8.特殊設備の安全監督管理

• 特殊設備の安全検査、監督を総合的に管理
• 高エネルギー消費型特殊設備における省エネルギー基準、ボイラーにおける環境保護基準の実施を監督・検査する

9.食品安全における監督管理の包括的な調整

• 食品安全の主要な政策を制定・実施
• 食品安全緊急システムを確立し、重大な食品安全事故の調査と処理を担当する
• 重要な食品安全情報に関する報告システムを確立・改善する
• 国務院食品安全委員会の日常業務を担当

10.食品安全の監督管理を担当

• 食品の生産・流通・消費の全過程を対象とする監督検査制度を確立
• 潜在的な危険を検知・排除するメカニズムを確率
• 地域的・体系的な食品安全リスクの防止
• 食品生産者や事業者が主な責任を果たし、食品安全トレーサビリティシステムを改善するためのメカニズムの確立
• 食品安全の監督、サンプリング検査、リスク監視、リスク警告の実施
• 特別食品の登録、届け出、監督管理を実施

11.測定業務の統一的な管理

• 法定計量単位と国家計量制度を構築
• 商品の量や測定行動を標準化・監督する

12.標準化作業の統一化

• 法に基づいた国家規格の確立・番号付け・外部への通知・認可、承認・発行を担当する
• 国内基準の策定
• 法に基づいた業界標準、地域標準、グループ標準の策定を調整・指導・監督する
• 標準化に関する国際協力を実施し、国際標準の策定と採用に参加する

13.検査・試験業務の統一的な管理

• 検査機関の改革を推進する
• 検測市場を標準化し、検査システムを改善する
• 検査業界の発展を指導・調整する

14.国家認証・認定業務の統一的な監督管理、包括的な調整を担当する

• 統一化された国家認証、認定、認証評価管理制度を確立し監督する

15.市場監督管理技術のIT化、情報発信、国際交流と協力を担当する。必要に応じて技術貿易措置に関する業務を遂行する。

16.国家薬品監督管理局、国家知的財産権局を管理する

17.党中央および国務院から割り当てられたその他の任務を遂行する

参照
中華人民共和国中央人民政府「国家市場監督管理総局の機能構成、内部構造および人員配置に関する規定」
消費者庁「国際調査 令和3年度 海外主要国における消費者政策体制等に係る調査業務 1.中国」

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