このページのまとめ
- 旧正月は旧暦の正月のこと。中国では「春節」として盛大に祝われる
- 2023年の旧正月は1月22日。干支は卯年
- 春節の前後はたいてい7日間の休みになる
- 大晦日は家族で集まり、魚料理や餃子など縁起のいい食べ物を食べる
- 春節は、赤い飾り付けや、爆竹・花火で祝う
- 帰省ラッシュやUターンラッシュで混むので注意
中国の旧正月・春節について知りたい方に向け、具体的な日程や、伝統的な祝い方、特別な食事について解説します。コラムを読んで、旧正月・春節の過ごし方についてチェックしてみましょう。
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中国の旧正月・春節って?
旧正月は、毎年1月22日~2月19日ごろの間を移動する、旧暦の正月のことです。日本ではあまり盛んに祝われませんが、中国・中華圏では「春節」と呼ばれ、西暦の正月よりも盛大に祝われます。中華圏においては最も重要な祝祭日といえるでしょう。春節は7連休になり、離れて暮らす家族が集まったり、縁起物を飾ったりして、街は賑やかな雰囲気に包まれます。
旧正月と春節の違いは?
旧正月と春節は基本的に同じものです。東アジアで主流だった太陰太陽暦における1月1日を指しています。
現在、日本を含む多くの国で「太陽暦」が使用されていますが、かつての東アジアでは「太陰太陽暦」が主に使用されていました。そのため、日本も中国と同じように、旧正月をお祝いをしていたのです。
新暦に移行したのちも、アジア圏の多くの国で旧暦の正月を重要視する文化が残りました。旧暦の正月は、中華圏では「春節」、韓国では「ソルラル」、ベトナムでは「テト」と呼ばれ、現在も祝われています。一方、日本は新暦の正月を祝うようになり、古い暦の正月は「旧正月」と呼んであまり盛んに祝わなくなりました。
2023年の春節はいつ?
春節(旧正月)は、毎年日にちが異なります。2022年以降の春節は以下のとおりです。
2022年:2月1日
2023年:1月22日
2024年:2月10日
2025年:1月29日
2026年:2月17日
2027年:2月6日
2023年の春節は、1月21日~1月27日まで7連休になります。
旧正月・春節が毎年違うのはなぜ?
旧正月・春節が毎年異なるのは、月の満ち欠けを基準にした旧暦と、太陽の動きを基準にした新暦は1年の長さが違うため、日付がずれてしまうからです。新暦である太陽暦と、旧暦の太陰太陽暦には以下のような違いがあります。
太陰暦(純太陰暦)
月の満ち欠けの周期を1ヶ月にした暦です。1ヶ月は29.5日で、1年は354日になります。地球の公転周期(約365日)より短いため、季節の移り変わりに対応しておらず、農業には適していません。また、月のなかごろは満月になることが多く、「十五夜」が満月となる由来となっています。
太陰太陽暦
太陰暦をベースに、数年に1度「閏月」を追加して、公転周期(約365日)との誤差を修正した暦です。1ヶ月は29.5日、1年は353~355日。閏月がある年は、1年13ヶ月で384~385日となります。中国暦をはじめ、ギリシャ暦、ユダヤ暦などで使われてきました。
太陽暦
1年間の太陽の動きを参考にした暦です。現在、日本をはじめ多くの国では、太陽暦であるグレゴリオ暦が採用されています。
グレゴリオ暦における1年は365~366日。400年に97回、つまりほぼ4年に1度閏年があります。平均すると1年は365.2425日になり、実際の公転周期との誤差は限りなく少なくなっています。
ちなみに、日本の暦が太陽暦に切り替わったのは明治時代。太陰太陽暦の一種である「天保暦」は明治5年12月2日で終わり、新暦の明治6年1月1日が始まりました。改暦が発表されたのが1ヶ月前のことだったため、世間が大混乱に陥ったというのは有名な話です。
2023年の干支は?
2023年は、十二支で「卯年」です。卯年生まれの人は年男・年女になります。
なお、年男・年女は、日本では縁起の良いイメージがありますが、中国では「本命年」と呼ばれており「縁起の良くない年」とされているので知っておきましょう。中国の年男・年女は、邪気を払うために赤い色のものを身に着ける習慣があります。春節前のデパートが赤い下着や靴下で埋め尽くされるのも一般的な光景です。
また、十干と十二支を合わせた六十干支では、2023年は「癸卯(みずのとのう)」となります。
中国の旧正月・春節の挨拶は?
中国にも、日本の「あけましておめでとう」にあたる挨拶があります。旧正月につかえる中国語の挨拶は以下のようなものがあります。
- 新年快乐:新年おめでとう
- 新年好:新年おめでとう
- 大吉大利:良いことがありますように
- 恭喜發財:お金持ちになりますように
また、西暦の1月1日には「元旦快乐」と言って形式だけお祝いすることもあります。
中国の旧正月・春節のお祝い
春節は、中国で最も盛り上がるシーズンといえます。春節の伝統的な過ごし方について、確認してみましょう。
赤い飾り付けをする
春節には、道路や玄関先、家の中に赤い飾りをつけます。赤は中国で「紅(ホン)」と表現され、魔除けや生命力、吉祥を表しているとされる縁起の良い色です。赤は春節のメインカラーともいえます。
道路には赤い灯籠や提灯をかけ、玄関には「春聯」という縁起の良い対句を書いた赤い装飾を施します。また、「福」の字を逆さにして貼るのも特徴的です。これは、倒福(逆さの福)と到福(福が来る)の読みが同じことに由来する縁起担ぎで、「福が来るように」という願いを表しています。
除夕(大晦日)は家族と過ごす
春節は、家族が集まる時期です。遠方に出稼ぎに出ている人も、除夕(大晦日)は家族と過ごすために故郷に帰ります。年越しの晩には「年夜飯」という特別な食事が振る舞われるのも特徴です。
夕飯を食べたあとは、人気の年越し番組「春节联欢晚会」を見る家庭もたくさんあります。春节联欢晚会は、1983年から続く長寿カウントダウン番組です。ちょうど日本の紅白歌合戦のような番組といえます。
爆竹を鳴らしたり花火を打ち上げたりする
春節のお祝いの中でも有名なのが、爆竹や花火です。爆竹・花火には、音で邪気を追い払うという意味があります。除夕(大晦日)の夜遅くにはあちこちで爆竹が鳴らされ、花火を見ながら新年を迎えるというのが春節の風物詩です。
大気汚染や安全性が問題視されるようになり、都市部では規制が進んでいるものの「春節くらいは花火や爆竹を認めてほしい」という意見が少なくありません。
お年玉を渡す・もらう
中国にも、大人が子どもにお年玉を渡す文化があり「圧歳銭」と呼ばれます。これは「歳」と「祟」が中国語で同じ発音をすることから、「年始に大人がお金を渡すことで、子どもを襲う祟りが抑えられ、1年平穏に過ごせる」という民間信仰に由来するものです。圧歳銭の相場はさまざまですが、100元~500元ほどが目安となります。
また、圧歳銭以外に、中国では両親や部下などにお年玉を渡すこともあります。これは「紅包」と呼ばれ、お正月以外にも誕生日やご祝儀で渡す祝い金の総称です。紅包は、赤い紙に中国の漢字とシンボルが描かれたデザイン。赤い紙でお金を包むことで、幸運や祝福を届ける意味合いを込めています。電子決済が普及した昨今の中国では、電子マネーで紅包を送ることも多いです。
新年イベントが多数行われる
春節には、中国各地でさまざまな催し物が行われます。竜の舞や獅子舞、パレード、春節飾りのライトアップなどが行われ、春節ならではの伝統的な雰囲気を盛り上げます。
また、北京の市内各地で行われる縁日「廟会」や、香港のビクトリア・ハーバーで行われる花火大会、広州の「花市」など、各地で開かれる有名イベントも春節の目玉。春節の時期は、イベントやライトアップを目当てに、国外からも多くの観光客が集まります。
春節に食べるもの
春節の期間、とくに大晦日の「年夜飯」には、中国で縁起が良いとされている食べ物を食べるのが伝統です。春節によく食べられる縁起の良い食べ物は以下のようなものがあります。
魚
魚料理は春節の代表的なメニューといえます。これは、中国語で「魚」と「余」の発音が同じであることに由来するものです。「年年有余」(毎年良い収穫がある)を言い換えて、「年年有魚」という魚の丸ごと蒸し料理を食べます。
また、地域によっては魚の頭と尾を取っておいて、1年平安に過ごせるよう祈る文化もあります。魚を並べる向きにもこだわりがあり、先輩に対して頭を向けることで敬意を示すこともあります。
餃子
餃子も春節の定番メニューです。餃子の形が「元宝」(中国の昔の紙幣)に似ていることから、富をもたらすとされ、縁起が良い食べ物とされてきました。春節餃子には、なつめや落花生を入れます。なつめには、新年を甘く感じさせて幸せな日々を送れるようにするという願いが込められており、落花生は健康長寿を祈願したものです。また、餃子に1つだけ硬貨を入れる風習もあり、硬貨があたった人は金運に恵まれるとされています。
春節餃子は、大晦日の12時前に作り始め、1時ごろに食べるのが一般的です。家族一同で餃子を作る行為が、大切な行事とされています。
年糕(おもち)
中国にも、正月におもちを食べる文化があります。「年糕」は「年高」と同じ読み。「年々高くなる」という意味から「身分や収入が上がるように」という願いが込められています。地域ごとにさまざまな種類があり、北方は蒸し物と揚げ物があり味付けは甘く、南方は蒸し・揚げのほか、炒めてスープにすることも多く塩辛い味付けにすることが多いです。
長麺
長麺は長寿麺とも呼ばれ、長寿の願いが込められた食べ物です。通常の麺より長く、カットしない状態で盛り付けます。麺が長いほど長生きするとされているため、切ったり噛んだりしないようにしましょう。
春巻
春巻は、とくに中国東部で人気の料理です。肉や野菜を包んだ春巻きを頭から尾まで食べることで、終始一貫の意味があり、縁起が良いとされています。また、具材を柔らかい生地で包んだ「春餅」も人気です。
元宵団子
元宵団子は、春節および旧暦の十五夜には欠かせない料理です。新年の15日目の夜には「湯円」という白玉団子のような団子を、月を見ながら家族で食べる文化があります。湯円は、「団圓」(家族団らん)と同じ発音で、家族の再会や絆を表しています。
中国には地域ごとに特色ある料理が存在します。詳しく知りたい方は「中国の代表的な食べ物24選!餃子や麻婆豆腐など定番メニューをチェック!」でも紹介しているので、チェックしてみましょう。
春節前後のスケジュール
春節は以下のようなスケジュールで進みます。
- 旧暦12月23日(小年):大掃除、帰省ラッシュ
- 旧暦12月30日(大晦日):春節の飾りつけをする、年夜飯を食べる、カウントダウン番組を見る
- 旧暦1月1日(春節):深夜に花火・爆竹、お年玉を渡す
- 旧暦1月2日~7日:知り合いや友人を訪ねる
- 旧暦1月8日:多くの人が仕事に戻る
- ~旧暦1月15日:Uターンラッシュ
- 旧暦1月15日:元宵節、満月を見ながら団子を食べる
春節は、多くの企業や公共機関は7日間の休暇に入りますが、ホテルやレストラン、ショッピングモール、観光スポットは通常通り営業しています。仕事初めは、たいてい6日目か8日目。中国では6や8が縁起のいい数字とされています。
また、春節の前後は、帰省ラッシュやUターンラッシュが発生します。飛行機の予約が取れなかったり、道路がひどく混雑したりするので、注意しましょう。
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