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このページのまとめ

  • 中国語検定は、日本語を母語とする人が対象の資格試験
  • 中国語検定1級は、中国人でも合格が難しいといわれている
  • 中国語検定は3級から履歴書の資格欄に記入できる
  • 日本語と中国語を活かしたい人は中国語検定、海外で働きたい人はHSKを選ぶと良い

「中国で働いてみたいけれど、どのような資格が役立つの?」「中国語検定とHSKはどう違うのか分からない」と思っている方も多いでしょう。中国語検定は、日本語話者を対象としている中国語の資格です。そのため、中国語と日本語を駆使して仕事をしたい人に向いています。このコラムでは、中国語検定の概要や特徴を解説。中国での就労を検討している人は参考にして、就職や転職を有利に進めましょう。

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中国語検定とは?

ここでは、日本中国語検定協会のWebサイトをもとに、中国語検定(中検)の概要を解説します。

日本語を母語とする人が対象の試験

中国語検定は、「一般財団法人日本中国語検定協会」が実施する資格試験です。日本語を母語とする人が対象で、受験会場も日本国内に限られます。出題言語も日本語であり、日本に住む日本語話者が中国語の学習成果を測るための試験といえるでしょう。2021年11日28日に行われた第104回の1次試験では9,186人が受験をし、5224人が合格しました。準1級および1級でのみ実施される2次試験は2022年1月に実施され、受験した135人中合格者は106人です。中国語検定は、毎年約7,000人~10,000人もの人が受験しており、漢語水平考試(HSK)と並び代表的な中国語の試験として知られています。

翻訳能力も測れるのが特徴

中国語検定の大きな特徴は、日本語を用いて中国語を訳す能力を測れる点です。多くの語学の資格は、「読む」「聞く」「話す」「書く」の4つの能力を重要視しています。一方、中国語検定は4つの能力に加えて、母語ではない外国語を適切に運用するために重要な「訳す」能力に重点を置いているのです。そのため、中国語検定の資格を有している人は、通訳・翻訳業で特に重宝されます。もちろん、「読む」「聞く」「話す」「聞く」の能力も効果的に測れるよう科学的に分析がされているので、中国語検定を受験することで中国語能力が確実に身に付くでしょう。中国語検定以外の資格について詳しく知りたい方は、「中国語は就職に有利?必要なレベルや語学力を活かせる仕事も解説」のコラムも参考にしてください。

中国語検定の各級ごとの出題内容や難易度

中国語検定は、準4級から1級までの6段階のレベルがあります。数字が小さくなるほど難易度が高くなるのが特徴です。リスニングと筆記の項目があり、準1級および1級はスピーキングや通訳を実際に行う2次試験にも合格しなくてはなりません。

ここでは、日本中国語検定協会のWebサイトをもとに、中国語検定の各級のレベル感や出題内容を紹介。就職や転職で役立つレベルも解説しています。

準4級【基本知識】

準4級は中国語検定のなかで最も易しいレベルです。中国語学習を進めていくうえで必要とされる基本知識を身に付け、これからの学習をスムーズに進める下準備ができている状態といえます。第104回の合格率は80.4%と高水準でした。基礎が身に付いているかの確認で、受験する人が多いようです。中国語検定の準4級は高校生以下の若年層の受験者が多い一方、就職や転職に活かすのはまだ難しい初歩レベルのため、社会人の受験者は少ない傾向にあります。

準4級の認定基準

中国語検定準4級の認定基準は以下のとおりです。

  • 合格基準点…リスニング、筆記ともに60点に達すること
  • 必要な学習時間の目安…60~120時間
  • 出題内容…基礎単語約500語による発音(ピンイン表記)および単語の意味、日常挨拶語約50~80による語句・単文の中国語訳

基礎ができていないと中国語学習はスムーズに進みません。自分の学習成果を明確にするためにも、中国語を学んで間もない人は受験してみると良いでしょう。

4級【簡単な会話が可能】

中国語検定の4級は、簡単な会話ができるレベルです。中国語の基本がある程度身に付いており、旅行で中華圏を訪れたときに、挨拶や買い物を通訳なしで行えます。準4級を飛ばし、4級から受験する人も多いようです。独学でも参考書や過去問を繰り返し解いて出題傾向を掴めば、合格しやすいレベルといわれています。

4級の認定基準

中国語検定準4級の認定基準は以下のとおりです。

  • 合格基準点…リスニング、筆記ともに60点に達すること
  • 必要な学習時間の目安…120~200時間
  • 出題内容…発音(ピンイン表記)および単語の意味、常用語500~1,000による単文の日本語訳・中国語訳

3級【履歴書に記入できる】

就職や転職時の履歴書に記入すると、中国語能力の証明としてアピールできるのはこの3級からです。基本的な読み書きや複雑ではない日常会話ができるレベルで、飲食店や物販店での接客応対はおおむね問題なく行えます。中国語検定は3級から難易度が上がり、1度で合格できない人も増えるようです。事実、第104回の試験では合格率が準4級で80.4%、4級で67.5%であったのに対し、3級は52.5%と一気に下がりました。

3級の認定基準

中国語検定3級からは合格基準点が上がっていきます。なお、合格基準点はその年の問題の難易度を考慮して、調整されることがあるようです。

  • 合格基準点…リスニング、筆記ともに65点に達すること
  • 必要な学習時間の目安…200~300時間
  • 出題内容…発音(ピンイン表記)および単語の意味、常用語1,000~2,000による複文の日本語訳・中国語訳

3級は、例年最も受験者が多い級です。就職や転職に活かしたいと考える人は、まず3級への合格を目標に勉強を進めるのをおすすめします。

2級【就職・転職に役立つ】

中国語検定2級を取得できるところまでいくと、応用的な中国語を使った業務が行えるようになります。中国語で1対1のビジネス上のやり取りが行えるレベルのため、中国と取引がある日本企業や中国の日系企業への就職・転職が有利になるでしょう。また、中国語での日常会話をスムーズに行えるので、中国に移住しても困らないレベルにまで到達できます。

中国語検定2級は、中華圏に数年留学していた人がやっと合格できる難易度です。出題される単語の難易度が一気に上がるため、3級はスムーズに合格できた人が、2級でつまづくケースは珍しくありません。合格率も第104回で31.5%と非常に低くなっています。なお、2級の受験者は、学生が中心だった3級までとは異なり社会人の比率が増えるのも特徴です。

2級の認定基準

2級は複文を含むやや高度な文章が読め、3級程度の文章を書けることが認定基準です。加えて日常会話ができる程度の能力も必要とされます。

  • 合格基準点…リスニング、筆記ともに70点に達すること
  • 必要な学習時間の目安…約2年~3年
  • 出題内容…熟語・慣用句の意味、語句の解釈、500字程度の中国語の文章の部分訳、30字程度の単文の中国語訳

中国語検定2級は、リスニング・筆記ともに70点という高い点数を取らなければなりません。筆記で合格しても、リスニングで70点に届かず不合格になる人も多くいます。一度の不合格で諦めず、何度も挑戦する気持ちが必要になってくるでしょう。なお、中国語2級を独学で取得するのは難易度が高いため、時間や費用に余裕があればスクールや通信講座の利用を検討するのをおすすめします。

準1級【即戦力として中国語で仕事ができる】

中国語検定準1級を取得すると、中国語を必要とする業務で即戦力として活躍できる能力が証明できます。中国語で難しい内容の会話ができ、簡単な通訳も可能です。中国語ネイティブレベルといっても差し支えないでしょう。中国に移住し現地企業に就職しても、中国語でスムーズに業務を遂行できる能力が身に付いている状態です。なお、語学系の大学で中国語を専攻している場合、卒業までに準1級に合格することが最終目標とされています。

準1級からは筆記、リスニングを行う1次試験のほかに、面接委員との会話を通じて行う2次試験への合格が必要です。

準1級の認定基準

準1級の認定基準は、社会生活に必要な中国語を習得し、一般的な文章を訳せることです。また、簡単な通訳ができる能力も身に付けている必要があります。

  • 合格基準点…1次・2次試験ともに75点に達すること
  • 必要な学習時間の目安…3~10年
  • 出題内容(1次試験)…新聞・雑誌・文学作品・実用文などからやや難易度の高い文章の日本語訳・中国語訳、および熟語・慣用句などを含む総合問題
  • 出題内容(2次試験)…日常会話、簡単な日本語・中国語の逐次通訳および中国語スピーチ

準1級の2次試験では、面接官と日常会話を交わしたり読み上げられた文章を翻訳したりします。また、指定されたテーマに関して1~2分のスピーチも実施。発音やイントネーション、語彙などの能力が総合的にチェックされます。

中国語と日本語を駆使して仕事をしたいという人は、準1級を取得すればあらゆる企業で重宝される人材になれるでしょう。

1級【超難関!中国語のエキスパート】

中国語検定1級は、中国語を専門的に使う仕事に就き、高度な業務を行えるレベルです。中国語のプロとして、会議や講演会などの通訳を行ったり難解な文章を翻訳したりできる能力が求められます。なお、1級は中国人でも数年勉強しないと合格できないほどの難易度。中国語を日常的に使う人でも不合格になってしまうほど、要求されるレベルが高いのです。実際に、合格者は中国人や中華圏にルーツのある人が多いといわれています。

中国に移住し、現地企業で働くという人でも1級までは求められません。しかし、中国語のプロとして第一線での活躍を望むのであれば、取得を目指したい級です。

1級の認定基準

1級の認定基準は以下のとおりです。

  • 合格基準点…1次・2次試験ともに85点に達すること
  • 必要な学習時間の目安…5~10年
  • 出題内容(1次試験)…新聞・雑誌・文学作品・実用文などから難易度の高い文章の日本語訳・中国語訳、および熟語・慣用句などを含む総合問題
  • 出題内容(2次試験)…難易度の高い日本語・中国語の逐次通訳

1級の合格基準点は各試験ともに100点満点中85点です。リスニング・筆記の1次試験、通訳の2次試験のすべてで85点以上を取らなければなりません。

中国語検定1級の1次試験では、時事や歴史などから難易度の高い問題が出題されます。中国語を完璧に話せる人であっても、出題傾向を見ながら時間をかけて勉強をしないと合格できない可能性があるでしょう。

2次試験では、面接官の話す長文を「日本から中国語に訳す」「中国語から日本語に訳す」を1回ずつ行います。内容はとても高度で、第104回試験では準1級の2次試験合格率が93.0%なのに対し、1級は37.1%でした。

このように、中国語検定1級を取得するのは簡単なことではありません。非常に多くの時間と労力を費やさないと合格できない難関資格です。

中国語検定とHSKの違いを比較

中国語に関する知名度の高い資格には、中国語検定のほかに漢語水平考試(HSK)があります。それぞれ特徴が異なるため、どちらを受験するか迷う人も多くいるようです。ここでは、中国語検定とHSKの違いを各項目ごとに解説します。

試験の対象

中国語検定は日本語話者が対象で、中国語と日本語の総合的な運用能力が求められる試験です。一方、HSKは世界共通の試験であり、中国語を学ぶ全世界の人が対象とされています。中国語検定が日本語で出題されるのに対し、HSKはすべて中国語で出題されるのも大きな違いです。

レベル設定

中国語検定は準4級から1級までで、数字が小さくなるごとに難易度が上がるのに対し、HSKは1級から6級までで数字が大きくなるごとに難易度が上がります。

中国語検定とHSKは試験の対象者や出題形式が違うため、正確にレベルを比較することはできません。しかし、おおよその目安では履歴書に記載できる中国語検定3級は、HSKの4~5級に相当します。HSKの最上級である6級は中国語検定の2級に当たり、中国語検定の最上級である準1級、1級の方が難易度は高いようです。

試験の開催日程

中国語検定は年3回(1級は年1回)の実施であるのに対し、HSKは最大で年12回行われます。そのため、HSKの方が中国語検定より受験者が多いのが特徴です。ただし、日本の受験会場は中国語検定の方が多く、各主要都市で試験が行われます。

中国語検定とHSKどちらを選ぶべきか

中国語検定とHSKどちらを選ぶべきかは、「中国語をどのように活かしていきたいか」によって異なります。中国語を訳す能力を証明できる中国語検定は、日本国内で評価されやすいようです。特に中国企業と取引のある企業への就職・転職活動では、中国語検定の取得が大きなアピールポイントになるでしょう。また、文法や単語をしっかり身に付けたい人は中国語検定の取得が役立ちます。

HSKは中国語政府が公認している中国語の試験なので、中国国内で働きたい場合におすすめです。また、世界的に実施されている試験であるため、海外で中国語の実力を証明できます。実践的なコミュニケーション能力が身に付くので、中国人との会話に役立てたい場合にも選ぶと良いでしょう。

中国語検定とHSKは試験の目的や内容が異なります。そのため、自分の実力を正しく測るためにダブル受験する人も多いようです。

中国語を勉強する際のポイント

中国語を勉強する際は、まず発音から始めるのがポイントです。中国語は、発音が重要な鍵を握ります。ピンイン(発音)と声調(イントネーション)の運用の仕方が掴めないと、中国語学習を効率良く進めていくのは難しいでしょう。中国語検定は、リスニングと筆記で同等の点数を取らないと合格にはなりません。筆記で高い点数を得ても、難しいリスニングで合格点を取れなければ不合格になってしまいます。勉強を始めるときは、まず発音を理解してから、簡体字や文法の勉強に進みましょう。

中国語検定を受験するメリット

日本人が中国語検定を受験するメリットは以下のとおりです。

中国語話者の日本人は少ないため需要がある

中国語が理解できる日本人はまだ少ないため、他者と差を付けられます。中国と日本は隣国で関わりも深い国であるにも関わらず、中国語を学ぶ日本人はそう多くはありません。しかしながら、ビジネスの現場では日本語と中国語を理解できる人材が非常に求められています。世界共通の言語である英語ももちろん重要です。しかし、英語系の資格は多くの人が取得しており、高難易度のレベルまで達しないと埋もれてしまうでしょう。就職や転職で自らをアピールし、他者と差別化するには中国語検定の取得が近道です。

中国と関係する企業への就職や転職が有利になる

中国と関わりのある企業への就職や転職が有利になると、仕事選びの選択肢が広がるでしょう。経済発展の目覚ましい中国へは多くの日系企業が進出しており、日本語と中国語に精通した人材を求めています。海外での就労を希望する人は中国語を習得するのが近道でしょう。また、日本国内であっても中国語に精通している渉外担当や、貿易事務の求人が数多く出されています。中国語を身に付けることで、就職や転職がスムーズになるのは大きなメリットです。なお、国内企業の場合、中国語検定の高難易度資格を有していると、資格手当を支給されるところも珍しくありません。

世界で人数が最も多い中国語話者と会話ができる

中国語を学ぶことで、多くの人々とコミュニケーションが取れるのもメリットの一つです。文部科学省の資料によると、世界で最も使用している人口が多い言語は中国語でした。中国語を母語とする人の人口も同じく世界一です。中国語検定の3級を取得すれば、基本的な意思の疎通を中国語で行えます。多くの人々とコミュニケーションが取れ、友好関係を築けるのは大きなメリットといえるでしょう。

中国語検定を取得していると役立つ仕事

中国語検定を活かせるのは、日本語と中国語の両方を駆使する職種です。現地での日本人向け観光ガイドや中国の日系企業での活躍が期待できるでしょう。

観光ガイド

中国現地に渡り日本人向けの観光ガイドの仕事に就くと、中国語検定取得で得た能力を活かせます。中国語検定の資格保有者は、日本語を中国語に訳す能力に長けているため、日本人観光客の旅行をスムーズにサポートできるでしょう。

通訳・翻訳

中国語検定は、通訳・翻訳業務に役立つ資格です。中国語検定は、日本語と中国語の両方を駆使して言葉を訳す能力に重点を置いています。相手に分かりやすく伝える能力の証明になる資格といえるでしょう。準1級および1級の2次試験では、実際に面接官の言葉を訳す能力も測られます。中国語検定取得の勉強を通して、通訳・翻訳業務のスキルを高められるでしょう。なお、中国語検定1級の合格者は、通訳案内士試験の外国語筆記試験が免除されます。

中国の日系企業

中国に進出している日系企業で働く場合、中国語検定で得た能力を大いに発揮できるでしょう。日系企業には、社内公用語が日本語で、中国語をあまり話せない社員が多数というところも少なくありません。日系企業の多く集まる上海市には日本人街があり、日本語が通じる飲食店やスーパーもあります。そのため、必要最低限の中国語でも適応できるのです。しかし、中国に所在地を置く企業である以上、取引先や顧客とのやり取りで中国語を必ず使います。日本語ネイティブかつ中国語も堪能な人材は重宝されるでしょう。

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