
このページのまとめ
- 中国の公認会計士試験は、非常に難易度が高いことで知られている
- 中国には公認会計士のほかに、会計業務を行うための資格がある
- 日本人が中国で会計士として働く際は、日系企業向けの仕事をするのが一般的
- 日本人が中国で働くには、Zビザを取得する必要がある
中国の会計士の情報が少なく、困っている人もいるでしょう。中国の公認会計士は日本と同じく国家資格で、中国人でもなかなか合格できない難関資格として知られています。このコラムでは、中国の公認会計士や会計業務を行うための資格について解説。また、実際に中国で会計士として働く方法やビザについても紹介しています。内容を参考にして、中国での就労を叶えましょう。
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中国の会計士の資格
中国では、公認会計士のことを「注冊会計師」といいます。それ以外に、会計業務を行える資格もあるのが特徴です。ここでは、中国の会計士の資格について説明するので、中国での就労を考える方は参考にしてください。
中国公認会計士の資格について
中国の公認会計士(CICPA)は日本と同じく国家資格です。日本の公認会計士試験は、非常に難易度が高いことで知られています。しかし、中国の公認会計士試験も負けてはいません。中国の公認会計士試験は、中国人でも合格が非常に難しいといわれています。中国の公認会計士の試験科目は、「会計」「監査」「財務管理」「税務法」「戦略」「経済法」の6科目です。これらの科目に、5年以内ですべて合格しなくてはなりません。この試験は中国語のみで行われます。そのため、中国語を母語としない日本人が合格するのは至難の業でしょう。
中国の会計業務が行える資格
中国には監査業務を行う公認会計士とは別に、会計業務を行う「会計師」資格があります。会計師資格の種類は以下の4つです。
資格名 | 概要 |
会計従業資格(上崗証) | 小規模納税人企業は最低1名の配置が必要 |
助理会計師(初級資格) | 一般納税人企業は最低1名の配置が必要 |
会計師(中級資格)会計師(中級資格) | 試験に合格すれば取得できる会計師資格の最上位(会計従業資格~会計師までは試験での取得が可能) |
高級会計師 | 政府からの認定が必要で大企業で財務会計責任者になれる資格 |
会計従業資格(上崗証)を取得すると、中国企業での会計業務が可能です。日本の簿記のような資格で、中国公認会計士試験より難易度も低くなります。中国で会計・経理業務をしたい方は目指してみるのも良いでしょう。
中国はUSCPAやACCAの需要がある
中国では、ACCA(英国勅許公認会計士試験)やUSCPA(米国公認会計士試験)の資格を持っていると重宝されます。理由は、中国に海外の会計基準を採用している外資系企業が多く進出しているためです。日本ではUSCPAの知名度の方が高いですが、ACCAは国際会計基準を採用しているため、より海外で活躍しやすくなるでしょう。これらの試験は、日本の公認会計士試験よりは合格しやすいといわれているため、英語が得意な方は目指してみるのも一つの方法です。なお、中国公認会計士試験に合格していなければ、年度監査業務は行えません。中国で長く活躍したいのなら中国の公認会計士試験、中国に限らずグローバルな活躍を目指すのであれば、海外の公認会計士試験を目指すと良いでしょう。
中国で会計士として働くには
ここでは、日本人が中国で会計士として働く方法を紹介します。
日本の監査法人から出向する
日本の大手監査法人に就職し、中国に出向する方法があります。この場合、業務内容は企業の税制対応のサポートや内部統制のモニタリングなどが中心です。日本から派遣される場合、中国で現地採用されるより報酬や福利厚生が充実しているメリットがあります。
中国の監査法人や会計事務所に就職する
中国の監査法人や会計事務所に就職すると、長期的に就労しやすくなります。ただし、日本人が中国企業に対して監査業務を行うことはほとんどありません。日系企業へのコンサルティング営業が主な業務になります。また、日系企業と中国人公認会計士の間に入り、スムーズに監査を進めるサポートも行うこともあるようです。
会計のスペシャリストとして企業に就職する方法もある
日本の公認会計士資格を持っている人のなかには、中国の日系企業に就職し会計・経理業務に携わる人もいます。この場合、必要な資格は「注冊会計師」ではなく会計業務を行う会計従業資格(上崗証)や助理会計師(初級資格)です。
会計士として働くにはどの程度の中国語能力が必要?
日本人が会計士として中国で働くには、ビジネスレベル以上の中国語能力が求められます。なぜなら通常の会話表現に加え、中国語の会計用語の習得が必要になるためです。さらに、中国公認会計士試験の合格を目指すのであれば、試験内容を理解できる中国語能力は必要不可欠でしょう。ただし、仕事内容によって求められるレベルは異なります。たとえば、外資系企業相手に仕事をするのであれば、英語能力の方が必要でしょう。日系企業と仕事をするのなら、多少中国語に不安があっても業務を行えます。日本人が中国で働く場合、外資・日系企業で働くのが一般的です。なお、中国のネイティブレベルの求人に応募する場合、HSK(漢語水平考試)の筆記試験で6級に合格できるレベルの能力がないと、就労は厳しいでしょう。中国での就職に必要な中国語レベルについては、「中国語は就職に有利?必要なレベルや語学力を活かせる仕事も解説」のコラムも参考にしてください。
日本人が中国で会計士として働く際のビザは?
ここでは、日本人が中国で働く際のビザについて解説します。
日本人が中国で就労するにはZビザが必要
日本人が中国で就労するには、Zビザが必要です。中国の就労ビザは以下の種類があります。
- Zビザ:一般的な就労を行う外国人のためのビザ
- Rビザ:中国政府が受け入れを進める高度外国人材のためのビザ
- Mビザ:商用・貿易活動のためのビザ
中国で会計士として働く場合、Zビザを取得することになるでしょう。Zビザを取得するには学歴や年齢などさまざまな要件が存在します。
Zビザの取得要件
国家移民管理局の資料によると、Zビザを取得するには以下の条件を満たしている必要があります。
- 18才以上
- 健康状態に問題がない
- 中国での就労に必要なスキルおよび実務経験を持ち合わせている
- 前科がない
- 有効期限のあるパスポートもしくはそれにかわる書類を持っている
- 明確な雇用単位がある
なお、中国では外国人の就労ビザ取得が厳しくなっています。そのため、少しでも条件にそぐわない点があるとビザの取得ができない場合も。要件は地区によって異なるので、就労先と十分連携を取り、手続きを進めましょう。
Zビザを取得に必要な書類
中国ビザ申請センターによると、Zビザの取得には以下の書類が必要です。
- パスポート原本および写し(余白が2ページ以上あり、有効期限が6ヶ月以上あるもの)
- 撮影から6ヶ月以内の証明写真(4.8cm×3.3cm、白の背景、カラー印刷)
- 中華人民共和国査証申請表
下記のいずれかの書類
- 外国人就業許可通知
- 外国専家来華工作許可証
- 外国(地区)常駐機構登記証
- 商業性文芸演出承認書類(訪中し商業性演出をする申請人にのみ適用)
- 外国文化センター招聘職員確認書
- 外国人在中華人民共和国従事海上石油作業的邀請信
以上の書類のほかに、就業する企業が用意する書類もあります。なお、審査が厳しくなっていることに加え、申請がオンライン化されたのでさらに難易度が高くなっています。そのため、中国のビザ取得を代行してくれるサービスを利用する人も多いようです。
中国入国後に行う手続きもある
Zビザを取得したらすぐに会計士として働けるわけではありません。入国後に行う手続きがあります。Zビザは入国査証であり、日本でいう在留資格とは異なります。中国で居住・滞在するには「外国人就業証」と「外国人居留証明書」の申請が必要です。以下で、日本貿易振興機構(ジェトロ)の資料をもとに申請手続きを紹介します。
外国人就業証の手続き
中国に入国した外国人は、15日以内に外国人就業証の申請を行います。申請先は管轄地の人力資源・社会保障行政部門です。以下の書類を用意して申請を行いましょう。
- 外国人就業許可書
- パスポート
- 健康診断書
- 雇用契約書の写し
- 外国人就業登記表
- 写真
申請から発給までに掛かる日数は、約2週間です。
外国人居留証明書の手続き
外国人居留証明書の申請は、入国から30日以内に外国人就業許可証を受領してから行います。申請先は、就業する企業の所在地の地方人民政府公安機関出入境管理機構です。以下の書類を用意して手続きを行いましょう。
- パスポート
- 健康診断書
- 外国人就業証
- 写真
- 中国企業の営業許可証
- 外国人居留申請書
- 指紋などの生体認証情報
なお、提出書類は頻繁に変更になるようです。申請を行う際は、最新の情報をチェックしましょう。
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