このページのまとめ
- 中国は即戦力採用が多く、ジョブ型雇用が一般的
- 中国で人材採用をする方法は「求人広告」「人材紹介」「リファラル採用」などがある
- 求人広告は、Web媒体なら無料~月10万円程度で利用できる
- 人材紹介は、成果報酬型で採用者の想定年収の20%~30%が手数料となる
- 中国は転職が盛んなので、知人紹介(リファラル採用)も積極的に行われている
中国に進出している日系企業の人事担当者さまに向け、中国で人材を採用する方法について解説します。コラムを読んで、現地で従業員を雇用する方法をチェックしておきましょう。
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中国の採用活動の特徴
ここでは中国の採用活動の特徴について解説します。中国での採用を検討している企業の人事担当さまは、チェックしておきましょう。
即戦力採用が多い
中国は、即戦力採用が主流です。新卒・中途に関わらず、入社してすぐ活躍できるだけのスキルが求められます。そのため、中国の採用活動では、求職者の実績や実務経験がとても重視される傾向にあります。
即戦力採用が多い中国では、インターンシップから本採用を目指す流れが一般的となっています。仕事の経験がない大卒者は、インターンシップで経験を積んでから本採用を目指す人が多いのです。
学歴が重視される
中国は日本以上の学歴社会です。より良い大学を出ているほうが、より良い企業に就職し、高いポジションにつけるという認識が浸透しています。大学選びが今後の人生を大きく左右する重要なポイントになっているといっても過言ではありません。
学歴社会の中国では、優秀な新卒者が毎年大勢社会に出ます。しかし、高学歴の学生に見合うような高待遇の求人は数が足りていない状況です。そのため、就職活動は激しい競争となります。
ジョブ型雇用が一般的
中国は、仕事内容やスキルを限定して雇用する「ジョブ型雇用」が一般的です。採用の時点で、募集するポジションで働けるだけの専門スキルを持った人材を雇用します。入社後も、専門分野に特化したプロフェッショナルとしてのキャリアを歩むのが一般的です。
勤務地や仕事内容を限定しない日本の「メンバーシップ型雇用」は、専門外の仕事をしたり、転勤をしたりすることもあるので、中国では受け入れられづらい可能性もあります。
数年単位の短期契約が多い
中国は、数年単位の短期契約が一般的です。転職は複数回するのが当たり前で、キャリアアップのために転職をするのは当然のことと考えられています。日本では、一つの企業に長く勤めることが評価される傾向にあるので、中国とは考え方が異なるポイントといえるでしょう。中国で人材を採用しても短期間で転職してしまうため、常に優秀な人材を確保する必要があります・
信用スコアをチェックすることもある
近年は「芝麻信用(セサミクレジット)」という信用スコアが重視されるようになってきました。芝麻信用は、アリババグループのサービス利用履歴から、個人や法人の信用度を数値化したものです。支払い能力や返済履歴などを鑑みて、信用度を判定します。採用活動のなかで、素行や支払い能力などをチェックするため、芝麻信用を利用する企業も増えています。
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中国で人材採用をする方法4選
中国で人材を採用する方法は以下のようなものがあります。
【中国で人材を採用する方法】
- 求人広告
- 人材紹介
- 知人紹介(リファラル採用)
- ダイレクトリクルーティング
どのような方法で人材を採用するか検討中の人事担当者さまはぜひ参考にしてください。
1.求人広告
Webサイトや紙媒体に求人広告を掲載する方法です。広告の掲載にはコストがかかることもありますが、多くの求職者に見てもらえるチャンスがあります。1回の広告掲載で複数名を採用できれば、採用コストを減らすこともできるでしょう。広告媒体はそれぞれ特徴が異なるので、複数の媒体を比較して検討することをおすすめします。
Web媒体には、日系のものと中国系のものがあります。日本人を雇用するか中国人を雇用するかで使い分けましょう。なお、日本語が話せる中国人は中国系のWeb媒体を利用することが多いです。費用は、無料のものから月10万円くらいのものもあります。
紙媒体は、「ジャピオン」や「コンシェルジュ」などが代表的です。紙媒体のなかには広告掲載が無料のものもあるので、費用を抑えることもできるでしょう。
2.人材紹介
人材紹介サービスを利用する方法です。募集や求人票の作成、マッチングなど、さまざまな業務を人材紹介会社に任せることができます。工数をかけずに採用活動を進められるところがメリットといえるでしょう。
人材紹介は、成功報酬型のサービスです。採用が決定するまでは費用がかかりません。採用決定後、採用した人の想定年収に応じた手数料を支払う必要があります。費用は、概ね採用者の年収の20%~30%が相場です。
3.知人紹介(リファラル採用)
知人紹介(リファラル採用)は、知人や社員から求職者を紹介してもらう方法です。広告を掲載する方法に比べると人が集まりにくい可能性がありますが、比較的安いコストで募集することができます。職場の雰囲気や環境が伝わりやすく、採用ミスマッチを減らせる点がメリットです。
転職が当たり前となっている中国では、リファラル採用も盛んに行われています。家族や知人の紹介で転職をすることも珍しくありません。中国進出の際は、リファラル採用の活用も検討しましょう。
4.ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングは、企業が求職者に直接アプローチする採用方法です。中国のLinkedIn「脉脉(マイマイ)」など、中国の求人サイトは、求職者個人に対してスカウトをすることができます。料金はスカウトで発生する仕組みです。また、有料アカウントを使用する場合は、会員費もかかります。会員費は3アカウントで年間約50万円ほどが目安です。
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中国での採用の流れ
中国での採用の流れは以下の通りです。
1.書類選考
中国の書類選考では、「简历(ジエンリー)」という1つの書類を審査します。简历は、職務経歴書と履歴書を合わせたようなものです。
2.面接
中国の採用活動では、面接は2回の企業が多いです。一次面接は人事担当者や上司が、最終面接は役員や部門長が行います。近年はオンライン面接を実施する企業が増えてきていますが、最低1回は対面式の面接をすることが多いようです。
中国人は、仕事のやりがいよりも、給与や待遇面について聞きたがる人が多い傾向にあります。面接を行う際は、具体的に解説するようにしましょう。
3.内定承諾
中国人は、選考結果をなるべく早く知りたいと考える人が多いです。そのため、たいていは面接から1週間以内に結果を通知します。早い人だと、書類選考から内定通知まで2週間程度で完了する場合もあります。
4.受け入れ
企業の受け入れ態勢が整っていないと、入社者の不満や不信感につながってしまいます。中国は転職が盛んな環境なので、早期離職につながる可能性も高いです。中国人の仕事観を把握したうえで、新入社員の受け入れ準備を進めましょう。
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中国人の仕事に対する考え方
ここでは中国人の仕事に対する考え方の傾向について紹介します。考え方の違いを把握して、相手の価値観を受け入れられるようにしましょう。
プライベートの時間を重視する
中国人はプライベートの時間を重視します。仕事は営業時間内に終わらせて、定時には帰るというのが当たり前です。プライベートと仕事ははっきり区別します。仕事終わりに同僚と飲みに行くという日本人の感覚は理解されない可能性が高いです。
過程より結果にこだわる
中国には、手段よりも結果にこだわる風潮があります。結果さえ出せば、やり方は自己流でも構わないというのが一般的な考え方です。
個人主義
中国人は、任された仕事は自分ひとりで取り組むことを好みます。チームで仕事をする考えはあまりなく、一度任された仕事は自分ひとりで進めるのが当たり前です。上司に仕事の報告や連絡をすることもあまりありません。
日本人の感覚で進捗確認を頻繁にしてしまうと「自分は信用されていないのではないか」と勘違いさせてしまうこともあります。報告のタイミングをあらかじめ設定しておくなどの対処が必要でしょう。
向上心が強い
中国人は向上心が強く、「良い地位につきたい」「有名になりたい」と考えている人が多い傾向にあります。そのため、昇級の条件や仕事で身につくスキルについて具体的に知りたいと考えている人が多いです。給与や昇級の条件についてしっかり説明することが重要といえます。
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中国人と働くときの注意点
中国人は面子を重んじる文化があります。「ほかの人がいる前で叱る」など、面子を傷つけるような行為は避けるようにしましょう。相手を不愉快な思いにさせるだけでなく、トラブルに発展する可能性もあります。一方、ほかの人の前で評価するシステムを設けると、モチベーションにつながるので、表彰制度などを設けると良いでしょう。
個人主義の傾向が強い中国人は、スピード感のある働き方をします。これは、中国企業がトップダウン型の意思決定をするからです。期待通りの働きをしてもらうためには、上層部が明確な指示を出す必要があります。作業工程について、詳しく合理的な説明をすれば、良い結果が得られるでしょう。
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