このページのまとめ
- 都会は個室の水洗トイレが普及。地方にはドアや壁がない古いトイレもある
- ホテルや商業施設、ファストフード店のトイレは比較的きれい
- 公衆トイレはたくさんある。ただ住民用共用トイレは衛生面が心配
- 個室にトイレットペーパーがないことが多い
- トイレットペーパーは備え付けのゴミ箱に捨てるのが一般的
- 都会は洋式便座が多いが、衛生面は要注意
中国旅行がしたい方や、中国で生活したい方にとって、トイレ事情は気になるポイントの1つといえるでしょう。
中国のトイレ事情は地域によって格差が大きく、都会は個室の水洗トイレが当たり前な一方で、地方には衛生面に不安のあるトイレも存在します。このコラムでは、中国のトイレの使い方や注意点、きれいなトイレがある場所などについて解説しています。是非参考にしてください。
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都市と地方で差がある中国のトイレ
中国のトイレ事情は、大都市と地方都市で大きな格差があります。
北京や上海、広州、深セン、天津などの都市部では、近代化されたトイレが普及しており、個室の水洗式トイレが当たり前です。
一方、内陸部の地方都市では、古いトイレが日常的に使われている場合もあります。ドアや壁がなかったり、掃除が行き届いていなかったりするため、観光客が利用できるレベルのトイレは多くはないというのが実情です。
トイレを使うなら? オススメの場所3選
きれいなトイレが増えつつあるとはいえ、衛生面に不安がある方もいるはず。そこで、本項では、トイレを清潔に利用できるオススメの場所を紹介します。
・三つ星以上のホテルのトイレ
ホテルなどの宿泊施設は、緊急時にはトイレだけの利用もでき、英語が話せるスタッフもいるので、いざという時に頼れる場所です。
・大型デパートやショッピングモールのトイレ
大型デパートやショッピングモールは、古い建物でなければ、比較的きれいなトイレがあります。ただ、利用客が多いこともあり、同じ建物内でもトイレの格差があることもあります。
・カフェやファストフード店のトイレ
中国で近年急増しているカフェやレストランなら、店が新しいため、管理の行き届いたきれいなトイレがあります。また、外資系のファストフード店なら本国から指導が入るのでトイレが比較的きれいです。
公衆トイレは使える?
日本の公衆トイレは駅前や公園に設置されていることが多いですが、中国の場合は、町中や観光地にもたくさんの公衆トイレが設置されています。
清掃員が常駐している公衆トイレは比較的安心して利用可能。ただ、地方にある住民用の共用トイレを利用するのは、衛生面からみてハードルが高いかもしれません。
また、公共トイレのなかには有料のものもたくさんあります。料金は地域によって変わるものの、基本的には日本円で10数円程度の料金で利用可能です。
トイレは行けるときに早めに行く
トイレには行きたくなってから行くのではなく、早めに行くことをおすすめします。ホテルにいるならホテルのトイレ、地方へ行くなら都市部のトイレで、行きたくなくても早めに用を足しておきましょう。また、慣れない土地で移動する予定があるなら、使用できるトイレの場所を前もって調べておくのが賢明です。
中国のトイレを使用する方法・使用する際の注意点
中国のトイレ事情は日本とは大きく異なります。
使用方法と、使用する際の注意点を確認しておきましょう。
ペーパーがないので自分で用意する
ホテルの共用トイレ等を除き、中国のトイレには基本的に個室にトイレットペーパーが設置されていません。持ち去られてしまう可能性があるからです。トイレットペーパーやティッシュペーパー、ウェットティッシュなどを常備しておくと良いでしょう。ペーパーは現地のコンビニで簡単に買えるので、日本から大量に持ち込む必要はありません。
・共有部にペーパーがあることも
中国のトイレでは、手を洗う場所に共用のペーパーホルダーを設置していることがあります。個室に入る前に必要な分を巻き取っていく仕組みなので、トイレに行く際はペーパーがあるかどうか先に確認しておきましょう。
・トイレペーパーをもらうのに顔認証システムを導入
北京の天壇公園にある公衆トイレには、トイレットペーパーの盗難や無駄遣いを防止するため、顔認証システムが導入されています。
トイレに入る前に、壁に設置されたマシンを3秒ほど見つめると、60cmほどのトイレットペーパーが出てくる仕組みです。追加で必要な場合は9分以上待つ必要があります。
トイレットペーパーは流してはいけない
中国では、使用したトイレットペーパーを便器の横にあるゴミ箱に捨てます。トイレットペーパーが水に溶けにくい材質で、さらにトイレの水圧が弱いので、ペーパーを流すと詰まってしまう可能性があるからです。
洋式トイレの便座は手で触らないようにする
中国では洋式トイレを使用する際、腰を浮かせて用を足したり、便器の上に乗ってかがんだりする人もいます。そのため、ホテルのトイレであっても便座が汚れていたりすることがあります。
洋式トイレの便座は基本的に上がっているので、下げるときには直接手で触れないようにしましょう。座る前は除菌ティッシュで拭くか、ペーパーを敷くなどして直接便座に座らないようにすると良いでしょう。
和式トイレが多い
家のトイレや商業施設のトイレでは洋式が一般的になっていますが、公衆トイレや古い建物だと和式が多く設置されています。洋式便座がないトイレもあるので、留意しておくと良いでしょう。
中国の和式トイレは、日本の和式トイレにある先端の丸い突起がないフラット型。前後が分かりにくいですが、基本的には穴がある方が後ろでドアに面するように座ります。
コート掛け用フックがないことも
中国の個室トイレにも上着を掛けるフックがありますが、壊れていたり、取れていたりすることもしばしば。荷物を抱えながら用を足すのも一苦労なので、一緒に行動している人がいるなら、上着や荷物を預けてからトイレに行くようにしましょう。
ドアが壊れていることも
地方のビルなどにあるトイレは、手入れがあまりされておらずドアが壊れていることもあります。使用中に開けられてしまうこともあり得るので、注意しておくと良いでしょう。
順番待ちの並び方は周りに合わせる
中国の都市部では一列に並ぶことが当たり前になってきていますが、地方では、ドアの前にそれぞれ並んだり、割り込みをしたりすることもあります。割り込みをされても腹を立てず、周りの人の動きに合わせて行動するようにしましょう。
トイレの待ち時間が長い
とにかく人口が多い中国。駅や観光地など人が集まる場所の共用トイレは、順番待ちの人で長蛇の列ができています。また、一人あたりのトイレ利用時間も長めなので、順番待ちの列はなかなか進みません。余裕がなくなる前に、トイレは行けるときに行っておくことをおすすめします。
中国のトイレの衛生面
大都市のトイレは近代化が進み設備も整っていますが、衛生面は今ひとつ。駅や公共のトイレは、トイレットペーパーが散乱していたり、きちんと流されていなかったりすることもあります。ただ、和式トイレが多いので、肌に触れない分だけ安心して使えるといえます。
一方、商業施設やホテルのトイレは、洋式が主流。腰を浮かせたり、足を乗せてかがんだりして利用する人がいるため、便座が汚れていることが多々あります。そのため、除菌シートで拭く、中国式の利用方法を真似るなど、そのまま素肌に触れないよう対策が必要です。
ドアや仕切りがない「ニーハオトイレ」がある?
中国には、昔からドアや壁がないトイレがあります。日本では「ニーハオトイレ」と呼ばれるものです。文字通り「相手の顔が見える状態で挨拶しながら用を足すトイレ」という意味で、壁に背を向け、通路側に向かってかがんで利用します。
かつて、一般家庭にトイレが普及していなかった時代の中国では、共用トイレが住民同士の交流の場になっていました。そのため、トイレにはドアや壁がなく、お互いの顔が見えるのが当たり前だったのです。
ニーハオトイレは今もある?
ニーハオトイレの数は減りつつあるものの、地方の田舎にはまだ実在しています。また、地域によっては、水が流れる溝に用を足すタイプの、便座がない横溝式トイレも残っています。
利用するには勇気が要りますが、その土地ではニーハオトイレが当たり前。気にせず堂々と利用して構いません。
なお、都市部のトイレはたいてい個室ですが、まれに地方出身の人がドアを開けたまま使用していることもあります。個室のトイレは閉鎖的に感じてしまうようです。
中国語でトイレの場所を聞くには?
中国語でトイレを意味する言葉は、洗手间、卫生间、厕所、化妆室などさまざまあります。それぞれの違いは以下の通りです。
・洗手间(シーショウジィェン)
日本でいう「お手洗い」といった意味で、ポピュラーかつ比較的上品な言い回しです。発音もしやすいため、「洗手间」はぜひ覚えておきましょう。
・卫生间(ウェイシォンジィェン)
口語表現ではなく、表示表現で用いられます。看板に「公共卫生间」と書かれていれば、それは公共トイレのことです。
卫生は日本語では「衛生的」という意味で、たとえばトイレットペーパーは卫生纸と書きます。
・厕所(ツァスォ)
日本語で言う「便所」といった意味です。少し前までは口語でよく使われてきましたが、現在は洗手间が一般的になりつつあります。日本人には発音が難しいかもしれません。
・化妆室(フゥアヂゥアンシー)
「化妆」は化粧という意味。日本語で化粧室を意味します。
トイレの場所を聞くには、トイレを意味する単語に「どこですか?」を意味する「在哪里?」をつけて聞きます。
「洗手间在哪里?(シーショウジィェンザイナーリー)」
お手洗いはどこですか?
これがメジャーな表現です。
なお、トイレのマークは日本と同じで、かつ「TOILETS」と英語表記がされていることも多いため、建物内などでトイレの場所を探すのは難しくありません。
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