このページのまとめ

  • 中国駐在員は、現地の市場調査や海外支社の社員管理をする目的で出向することが多い
  • 中国駐在では給与アップだけでなく、選択できるキャリアの幅が広がるメリットもある
  • 文化の違いに慣れない場合があったり、帰りたいときに帰れなかったりするのが中国駐在のデメリット
  • 中国駐在を目指す人は中国語検定(HSK)の受検をしておくと有利になる可能性がある

中国駐在員という言葉は聞いたことがあっても、実際にどのような仕事や生活をしているのかは分からないという方も多いはず。中国に長期滞在している日本人は10万人以上。在留邦人が多い国として有名ですが、中には文化の違いに戸惑う人もいるようです。このコラムでは中国駐在員の役割やメリット・デメリット、駐在員を目指す方法についても解説するので、駐在に興味がある方や中国へ赴任予定の方は参考にしてみてください。

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そもそも駐在とは?中国赴任とは違う?

駐在とは、日本国内の本社から期間を決めて海外の支社・支店へ派遣され、現地で仕事をすること。現地で生活をしながら仕事をする人は「海外駐在員」と呼ばれます。「海外赴任」という言葉もありますが、駐在と同じ意味です。

海外駐在員の主な役割は、市場調査や海外支社の社員の管理など。海外の動向をキャッチし、日本企業の発展へとつなげます。

中国駐在員になるメリット

「きつい」と噂されることもある中国駐在ですが、複数のメリットがあることも事実です。以下で、中国駐在のメリットについて解説します。

給与がアップする

中国に限らず、海外駐在員になると日本で働くよりも給与が増えることがほとんど。海外駐在員に対する福利厚生を充実させている企業が多くあり、駐在手当のほか、国外生活へのリスク保障として
ハードシップ手当を支給している企業もあります。
このハードシップ手当は、日本と駐在先の生活水準に差があればあるほど高くなり、中国の場合は月に5万円程度が相場と言われています。

企業によっては、現地でかかる家賃や医療費を全額負担してくれる場合も。待遇は企業によって違いがありますが、日本国内での勤務ではつかない手当が支給されるのは大きなメリットでしょう。なお、業務をする国は違えど駐在員が帰属するのは日本企業のため、給料は日本基準で支払われます。

描けるキャリアの幅が広がる

駐在員として派遣される人は社内でも優秀な人材であることがほとんどですが、そこにグローバルな視点が加わることによって、より優れた人材として見なされるでしょう。中国という、米国に肉薄する勢いで発展する国に赴任することで、重要なグローバル人材になれる可能性が高まります。

また、文化や考え方が異なる外国人と共に業務を行うことで、マネジメント能力の向上も期待できるでしょう。海外で経験を積むことでキャリアに箔がつき、帰国後の選択肢が大幅に広がることは海外駐在員ならではのメリットです。

精神的にタフになる

海外駐在は、強い精神力が身につくと言われています。言葉はもちろん、文化や考え方が異なる人と働くことは、日本国内で働くよりもストレスがかかるもの。特に、面積の広い中国では、出身地によって文化や考えの違いがあり、管理のしにくさに苦労する日本人が多いようです。
慣れない環境に「つらい」と思ってしまいがちですが、帰国したころには強い精神力が備わっているはず。駐在の経験で身についた強い精神力があれば帰国後も臨機応変に対応できるでしょう。

ローカル料理や国内旅行が楽しめる

面積がおおよそ日本の25倍とされる広大な中国では、ローカルフードや観光スポットも豊富。万里の長城や天安門などの有名な観光スポットへ、日本から行くよりも安く遊びに行けます。また、四川料理や上海料理など地方によって異なる食を楽しめるのも魅力です。

中国駐在員になるデメリット

ここでは中国駐在のデメリットについて解説します。高い給料が得られることやキャリアに箔がつくことはメリットですが、当然日本での生活とは違った点が複数あります。中国駐在を考える人はデメリットも把握したうえで判断しましょう。

日本ほど治安が良くない

中国駐在をするうえでまず頭に入れておくべきは、治安の違い。日本で生活をしていると治安が良いことは当たり前と思ってしまいがちですが、日本は世界平和度指数の評価で10位以内が常連の安全な国です。一方、経済平和研究所の発表によると2021年における中国の世界平和度指数は100位であり、貧富の差の拡大による、治安の悪化が懸念されています。スリや置き引き、ぼったくりが増加しており、裕福と認識されている日本人は特に注意が必要です。駐在する本人はもちろん、家族も連れて行くことを考える場合は慎重に判断する必要があります。

参照元
経済平和研究所(IEP)

言語や文化の違いに戸惑うことが多い

海外駐在では、言葉や文化に対する壁を感じる人が多いようです。中国語を身につけていても、現地でやりとりをしてみて初めて分かることも多々あります。また、日本では当然とされていることが中国では全く通用しないことも。

日本人は残業をしてでも仕事を終わらせる風潮がありますが、中国人は「自分の時間を犠牲にしてまで仕事をすべきではない」と考えている人が多くいます。仕事が残っていても退勤時間が来たらさっと帰る姿を見て、日本とのギャップを感じる人も多いようです。

なお、「物事をはっきり言う」のも日本人とは異なった部分。日本は「察しの文化」と言われるように相手の言いたいことや考えを雰囲気で感じ取る場面が多々ありますが、広大で地方ごとに考え方が異なりがちな中国では“自分の考えは言葉にしないと分かってもらえない”と考えます。「あなたのここがダメ」など、日本では言われ慣れない直接的な言葉をかけられたら「きつい」と感じる人もいるでしょう。

基本的に駐在期間は個人の事情が考慮されない

海外生活を経験できる駐在ですが、その期間は企業側が決めるため「帰りたいのに帰れない」という状況になることもあります。家族と離れて暮らす予定の人は子どもの成長を見られなかったり、親や友人になかなか会えなかったりする厳しさもあることを頭に入れておきましょう。


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中国駐在員になるには?

中国駐在員はなりたいと思っても簡単になれるものではありません。先述のとおり、駐在員として選ばれるのは社内で優秀だと判断された社員であることが大半。ここでは、中国駐在員になれる可能性を高める方法について解説します。

中国語のレベルを高めておく

語学力があれば必ずしも駐在員になれるとは限りませんが、現地でビジネスをする上で中国は必須です。駐在先が日本人社員ばかりであっても、ビジネスの相手は中国人。
なお、2017年より外国人就労者のランク分けが決定され、そのなかに中国語レベルに関する項目もあります。就労ビザの審査をスムーズに通過するためにも、日本にいるときから中国語のレベルを高めておくと安心でしょう。

中国語検定について

中国語検定には、日本中国語検定協会が実施する試験と中国政府教育部に属する機関が主催の“HSK”の2種類があります。
中検と呼ばれる日本中国語検定協会が実施する試験は主に翻訳能力を問うものであるため、中国駐在を考えている方は留学やビジネスに活かせるHSKを受検しましょう。取得すべき級の指定はありませんが、高い級であればあるほど就労ビザ発給の審査時に高い点数を得られます。具体的な取得級と得られる点数は以下のとおりです。

【外国人来華就業許可制度の評価基準(中国語レベルの項目抜粋)】

基準・条件点数
中国語で授業が教えられる大学卒およびその以上の学歴5
HSK5級及びそれ以上5
HSK4級4
HSK3級
HSK2級2
HSK1級1

なお、中国の就労ビザ審査は中国語レベルのほかに、学歴や中国国内での年収などによって判断されます。それぞれの項目ごとに決められた点数を合計した値によってA類~C類の人材レベルが決定され、点数によっては審査に通らないことも。点数が低いと絶対に審査に通らないというわけではありませんが、派遣されるのに適しているのはB類に属する外国専門人材(評価基準で60点以上獲得)以上の人材だと言われています。

参照元
BTMU(China)実務・制度ニュースレター

中国へ駐在員の派遣をしている企業に就職する

中国駐在を考えるにあたって、当然中国に拠点をもつ企業に就職する必要があります。在籍している会社に中国支社がある場合は異動希望を出すことで中国駐在が叶う可能性がありますが、海外に拠点がない場合は転職しなければなりません。
中国に限らず海外に駐在員を派遣している会社やそのボジションは倍率が高いと言われているので、語学力や専門性を高めておく必要があるでしょう。

中国駐在員の求人を扱う転職エージェントを利用する

在籍している会社に中国支社がなく、転職を考える際は海外勤務の求人を取り扱っている転職エージェントに相談するのがおすすめです。先述の通り、海外駐在員は倍率が高いことが多く、1人で転職活動を行うと難航する恐れも。転職エージェントでは就職のプロが企業とのマッチングを行ってくれるので、より適性に合った求人を見つけられます。中国駐在員として活躍したいと考える方は、海外での就職に特化している就職エージェントを利用してみましょう。

中国駐在に行く前に必要な準備

中国駐在が決定した人は、中国に行く前に必要な準備を済ませましょう。中国に駐在するにあたってパスポートの準備はもちろん、予防接種や現地で使う口座の開設も必要です。中国駐在の際に必要な準備について以下で詳しく解説します。

必要な予防接種を済ませる

海外駐在を考える方は、渡航前に推奨されている予防接種を済ませておきましょう。中国への入国にあたって厚生労働省が推奨している予防接種は、A型肝炎・B型肝炎・破傷風です。そのほか狂犬病や日本脳炎のワクチンも打っておくと安心でしょう。予防接種によっては、複数回接種が必要なもののもあるため、出発の3ヶ月以上前からワクチンの接種に向けた準備をするのが理想です。

参照元
厚生労働省 検疫所 FORTH

パスポートの準備

中国への入国時はもちろん、就労ビザの発給申請にもパスポートが必要になるため、あらかじめ用意しておきましょう。パスポートの申請から受領までは1週間程度かかります。また、すでにパスポートを持っている人も残存有効期間のチェックをしておきましょう。中国駐在にあたって明確な残存期間は定められていませんが、入国時に最低6ヶ月以上あるのが理想とされています。残存有効期間が1年未満になったら更新が可能になるので、日数が少ない方は手続きをしておきましょう。

Zビザ・Sビザの準備

中国で就労する際はZビザ、同行する家族はSビザを取得しなければなりません。ZビザやSビザ発給の際は、日本国内で行う手続きと赴任先企業に行ってもらう手続きがあるため、1ヶ月程度はかかると見込んだ上で余裕を持って行動する必要があります。

中国の就労ビザの申請に必要な書類や、発給までの流れについては「中国の就労ビザの申請方法とは?種類や必要書類についても解説!」で詳しく説明しているので、これからビザ申請をする方はチェックしてみてください。

住民票を抜く手続き

中国駐在に伴い住民票を抜くことは必須ではありませんが、抜かない場合は住民税が発生します。一方で、住民票を抜くと社会保険や国民健康保険の加入対象外になるため、帰国の頻度や受診予定の有無で判断しましょう。住民票を抜く場合は、転出の14日前から手続きが可能になります。

中国でも使える口座の開設

現地ではすぐに口座開設ができないため、渡航前にあらかじめ日本で中国銀行の開設をしておくのがおすすめです。日本円を口座に入れておけば、現地で中国元で引き出せます。口座開設には1ヶ月程度かかるとされているので、渡航前の準備リストに入れておきましょう。

携帯電話のプラン変更やSIMの準備

日本の3大キャリアで携帯を利用している人は、そのまま中国に持って行っても使用できません。現地ではすぐに携帯が契約できない可能性があるため、SIMフリーの携帯を日本をから持って行ったほうが安心です。海外で使用するにあたってプラン変更が必要な場合は、その手続きも済ませておきます。中国で使用可能なSIMは日本で購入できるので、あらかじめ用意しておきましょう。

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