このページのまとめ
- 中国の幼稚園には、3~6歳までの子どもが入園できる
- 中国の幼稚園は3種類あるため、選定前にそれぞれの特色を知っておくべき
- 中国の幼稚園選びの際は、必ず子どもと一緒に見学をする
中国への移住を考えているものの、幼稚園事情が分からず不安に思う方は多いでしょう。中国の幼稚園は、日本と同じく3~6歳が入園対象ですが、教育・遊びといった園での1日のスケジュールは大きく異なります。また、幼稚園は3種類あり、その特色によって子どもの人生に影響を与えるでしょう。ぜひ、このコラムで中国の幼稚園事情を把握し、安心して入園したい園を選べるようにしてください。
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中国の幼稚園には何歳から入園できる?
中国の幼稚園の入園対象は、3~6歳までであるところが多いです。中国では祖父母の子育て参加率が高く、3歳未満は家庭で保育するのが一般的で、日本のようにプレ幼稚園として1歳児や2歳児のプレ保育を受け付けている幼稚園はまずありません。
3歳未満の子どもを預けたい場合は?
中国には保育園もないため、祖父母の協力が得られなければベビーシッター(家政婦)を雇います。
ベビーシッターとなる人は「保母(Baomu)」「阿姨(アイ)」などと呼ばれ、保育以外にも教育や家事代行などを行うサービスもあるようです。
中国の幼稚園の種類と特徴
中国の幼稚園は、主にローカル幼稚園とインターナショナルスクール、日系幼稚園の3種類に分けられます。それぞれの特徴について知り、どの幼稚園に通園するかの参考にしてください。
ローカル幼稚園の特徴
国際部を持ち海外の子どもも受け入れている、地元の幼稚園です。使用言語は中国語が基本で、先生や園児も中国人が中心。日常的なやり取りはもちろん、重要な連絡事項に関しても中国語で伝えられます。保護者自身が中国語ができるかが、幼稚園生活に影響を与えるといえるでしょう。
また、ローカル幼稚園は公立幼稚園で、入園するには当該地域における戸籍や不動産を持っているなど、一定の条件を満たすことが必要です。そのため、日本人の子どもは、インターナショナルスクールや日系幼稚園などの私立幼稚園を選ぶことが多いといわれています。
なお、費用は年間80万円前後かかるようです。
インターナショナルスクール(幼稚部)
インターナショナルスクールに付属している幼稚園(幼稚部)で、使用言語は英語です。園児は日本をはじめ、アメリカや韓国などさまざまな国から来ています。多国籍である分、ローカル幼稚園と比べて疎外感は感じづらいといえるでしょう。しかし、保護者が英語または現地語である中国語が理解できないと、先生や保護者、園児とのコミュニケーションがとりづらいという点は共通します。
費用は年間100万円以上がほとんどで、中には150万円以上かかる幼稚園もあるようです。
日系幼稚園の特徴
新学年や長期休暇、各種行事など日本の幼稚園に近い運営を行っている幼稚園で、使用言語は日本語です。先生・園児も日本人が中心で比較的環境に馴染みやすいうえ、日本に戻った場合でもスムーズに日常に移行できると考えられます。
費用は年間100万円ほどです。
中国の幼稚園選びのポイント
中国の幼稚園を選ぶ際は、必ず子どもと一緒に見学に行き、本人の様子や周辺・施設環境などをチェックしましょう。
子供と一緒に見学に行く
保護者目線で「良い」と感じた施設でも、子どもにとってはそれほど魅力に感じないことがあります。特に日本と中国では習慣や文化が違い、もし子どもが辛く感じることがあっても、対応が遅れたり状況を改善できなかったりすることもあるでしょう。まずは通園する本人が楽しく過ごせそうかを確認してください。
また、通園経路や園内外の安全確認も行い、毎日安心して通えそうかも見ておきます。
ローカル幼稚園を選ぶ際の注意点
園児も保護者も先生も中国人なので、言語をはじめ文化や習慣の違い、日中関係や歴史的背景などが子どもの園での生活に影響することも。子ども自身の価値観にも大きく関わることもありえます。たとえば、中国では給食を残すのが当たり前で、食事の前後に「いただきます」「ごちそうさまでした」と言うマナーもなく、食材や生産者、作ってくれた人への感謝の気持ちはありません。また、日中関係が悪化していたり、反日感情が強い人が集まっていたりする幼稚園の場合、いじめの対象になる可能性もあります。
子どもの気持ちを優先すべきではありますが、自身の教育方針や、幼稚園が国の文化・習慣・関係についてどういった方針で動いているのかも踏まえて選んでいくべきだといえるでしょう。
中国の幼稚園の1日のスケジュール例
ここでは、中国の幼稚園の1日のスケジュール例をご紹介します。日本の幼稚園は午後の早い時間に帰宅しますが、中国では夕方まで預かるのが特徴です。
午前7時30分~午前8時30分 | 登園・朝食 |
午前8時30分~正午 | 勉強・遊び(勉強時間は子どもの年齢により、1回15分~35分程度で、遊びの時間と交互に行う) |
正午~午後12時30分 | 昼食 |
午後12時30分~午後2時30分 | お昼寝 |
午後2時30分~午後3時 | おやつ |
午後3時~午後4時30分 | お稽古 |
午後4時30分~17時 | 夕食 |
17時~ | お迎え |
中国の幼稚園のカリキュラムの特徴
中国では教育熱心な保護者が多く、子どもが幼いうちからハイレベルな教育を求めるため、幼稚園でも勉強やお稽古などのカリキュラムが豊富に組まれています。
遊びより学習・教育を重視している
近年は「遊ぶことも大切」と理解されてきたものの、日本の幼稚園のように遊びが主体になることはなく、学習面を重視しているのが特徴です。
午前中の勉強時間に実施しているのは、言語、数の計算、芸術、英語などが中心。午後の勉強時間では、ピアノやドラムなどいわゆるお稽古ごとの学習がメインとされています。
グループ活動では周りの歩調と合わせる
グループ活動では、全員が同じ工程の作業を行います。もし早く作業が終わってしまっても、一人で次の工程へ移るのではなく、周囲の子とペースを合わせて進めていくということです。
グループ活動中はほかの子どもとは話さない
中国では先生や上司など、上の立場の人の指示に従うことが大切とされています。幼稚園でも、自由時間に規制はないものの、勉強の時間中は先生の指示に従うこととされ、ほかの子どもとの会話はしないように指導されているのが特徴です。
良いことも悪いこともみんなの前で発表される
褒められること、叱られること問わず、教育において重要と考えられる事柄があれば、ほかの園児の前で発表されます。良くも悪くも、人の目を気にするタイプの子どもには、少なからず精神面への影響があると考えられるでしょう。
中国でも幼稚園受験はある?
中国の幼稚園も日本と同様、受験の有無についてはその施設によって異なります。ただし、ローカル幼稚園は公立のため、受験はないと考えて良いでしょう。
受験がある幼稚園の場合でも学力テストはなく、面接や集団行動観察のみ行うことが多いようです。
中国の幼稚園の受験内容
中国の幼稚園の受験内容は、面接のほか、入園予定の子どもが集団行動においてどのような行動をするのかを観察するようです。その際は当然、親とは離れ、先生や同年齢の子どもと一緒に過ごします。
入園の合否は、後日メールで届く幼稚園が一般的です。
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