このページのまとめ
- ベトナム出張の祭、16日以上の滞在には商用ビザの取得が必要
- ベトナムでは短期出張であっても所得税がかかるが、一定の条件を満たせば免除される
- ベトナムは地域によっては寒いので出張時にジャケットが必需品
ベトナムに初めて出張する方はビザや所得税の手続き、持ち物や服装に不安はありませんか。ビザや所得税の手続きの方法は滞在期間や給与の支払い方法などによって異なるので、前もって確認する必要があります。また、気候に合った服装や業務中のスーツ着用のマナーについても知っておきたいところです。このコラムを通して、ベトナム出張に必要な準備全般についての知識を深めましょう。
ベトナム出張にビザは必要?
ベトナム出張でビザが必要かどうかは、ベトナムでの滞在期間によって異なります。以下でビザ取得が必要になる条件や免除になる条件を解説していますので、確認してみてください。
15日以内の滞在にはビザは必要ない
ベトナムでは、滞在期間が15日以内の場合は、下記の条件を満たしていればビザの取得が免除されます。
- 入国時点でパスポートの有効期間が6カ月以上あるかつ、前回のベトナム出国から30日以上経過していること
- 往復のための交通手段の切符または第三国へ出国するための交通手段の切符を有していること
- ベトナムより入国禁止の措置を受けていないこと
参照元:在ベトナム日本国大使館–日本国籍者に対するベトナムビザ免除措置
16日以上の長期出張には商用ビザが必要
滞在期間が16日を超える場合は、ビザの取得が必要です。ベトナムでは滞在目的別にビザの種類が分かれています。出張目的であれば、商用ビザを取得するのが適切。商用ビザの有効期間は1カ月と3カ月のものがあります。また、1度だけ出国できるシングルビザと有効期間中何度も出入国できるマルチビザの2種類があるため、有効期間と目的に合わせて申請する必要があります。ビザの申請手続きには時間がかかるので、必要な場合は前もって準備しておきましょう。
ベトナム出張者の所得税はかかる?
次に、ベトナム出張者にかかる所得税について説明します。ベトナムの個人所得税は、ベトナム駐在員や日本人現地採用者だけではなく、出張者にも関わるので、よく確認しておきましょう。ベトナムでは、法令上、課税範囲や所得税率を「居住者」と「非居住者」に分けて定めています。「居住者」と「非居住者」の違いや「非居住者」の個人所得税の課税範囲と所得税率は以下の通りです。
「居住者」と「非居住者」の違い
「居住者」とは、「暦年もしくはベトナムに入国した日から連続12カ月の期間中、ベトナムでの滞在期間が183日以内である」「ベトナム国内に恒久的居所を有していること(ホテルや職場、本社も含む)」の2つの条件を満たしている者のことです。条件を満たしていない者はすべて「非居住者」の扱いになります。そのため、滞在期間が約半年以内の短期出張者は「非居住者」とみなされます。
「非居住者」の個人所得税の課税範囲と所得税率
「非居住者」の個人所得税の課税範囲は、ベトナムでの所得のみで、所得税率は一律20%です。ただし、日越租税条約に基づき、下記の条件を満たせば個人所得税は免除されます。
- ベトナムの滞在期間が183日以内であること
- 給与や報酬をベトナム現地法人が支払い・負担していないこと
免除のためにはパスポートのコピーや居住証明書などの書類を用意したうえで申請の手続きが必要です。ただし、短期滞在者免除申請が受理されても、その後の税務調査で否認されるリスクがあることを理解しておきましょう。
ベトナム出張時の服装
ベトナム出張時にふさわしい服装について紹介します。南国の印象があるベトナムでも地域によっては寒いので、上着が必要になることも。気候や文化を把握したうえで、ベトナム出張時にふさわしい服装を準備しておきましょう。
地域によっては秋冬は寒いのでジャケット必須
ベトナム、というと南国で暖かいイメージがあるかもしれませんが、中部ダナンと北部ハノイでは秋冬の朝晩の気温が下がります。特にハノイでは、12~15度まで気温が下がるため、ジャケットを持っていくと良いでしょう。なお、南部のホーチミンは年間を通して平均気温が27度と、高温のため、時期によって服装を変える必要はありません。
業務中はスーツ着用
基本的にはワイシャツにノーネクタイ、スラックスの日本のクールビズのようなスタイルで大丈夫です。特に、グループ会社内の打ち合わせといったクライアントと会う以外の場面では、ジャケットやネクタイを着用する必要はありません。ジャケットやネクタイについては、ベトナムのビジネスシーンでは、かしこまった式典などでない限り着用することはありませんが、クライアントと会う場面では念のため準備しておくと無難でしょう。
ベトナム出張に必要な持ち物
ここでは、一般的な出張に必要なものは省き、ベトナム出張に持って行くと便利なものを中心に紹介します。
現金
ベトナムではクレジットカードが使えますが、限度額を超えてしまったときや紛失したときに備えて、現金を持っていくと安全です。日本でも日本円からベトナムドンへ換金できますが、現地の両替の方がレートが良いため、ベトナムで両替するのがおすすめです。
航空券(eチケット)
ベトナムでは、入国審査のときに帰りの航空券の提示を求められます。片道の航空券では入国できないため、必ず印刷したものを持っていくようにしましょう。
海外旅行保険の書類
滞在中に発熱や感染症などで体調を崩す可能性もあります。保険なしで現地の医療機関を利用すると、高額な費用がかかるため、海外旅行保険の加入は必須です。念のため保険に加入して書類を持参しておきましょう。
虫よけスプレーや虫刺され薬
ベトナムには蚊が多いため、虫よけスプレーや虫刺され薬を持っていくことをおすすめします。蚊に刺されることにより、デング熱、マラリア、日本脳炎などの感染症にかかる可能性もあるので、注意が必要です。
日焼け止め
ベトナムは日差しが強いので、日焼け止めは必須アイテムです。効果の強いSPF50+以上のもの、かつ汗をかいても落ちないウォータープルーフのものであれば、さらに良いでしょう。
粉末のスポーツドリンク
暑さで熱中症のような症状が出たときに、すぐに水に溶かせて飲めるので便利です。普通の水よりもスピーディーに体力を回復させるのに役立つでしょう。
傘
ベトナムでは、雨季の4~11月ごろになると、急に雨が降ることがあります。折りたたみ傘などの雨具を持ち歩くようにしましょう。
ティッシュ
ベトナムの都市部ではトイレに備え付けのトイレットペーパーがありますが、郊外にはないことも。念のため、ティッシュペーパーを持って行った方が安心です。
ウェットティッシュ
ベトナムのレストランにもウエットティッシュやおしぼりはありますが、多くの場合は有料です。ウエットティッシュを持っていれば、食事前に手を拭いたり、トイレの便座を拭いたりと何かと役に立ちます。
パジャマ
ベトナムのホテルにはパジャマがないことも多くあります。念のため自分のパジャマを持っていくと良いでしょう。
歯ブラシ
歯ブラシはホテルのアメニティにあるところが多いものの、使いづらいこともあるので、自分用の歯ブラシを持っていくことをおすすめします。
ベトナム出張の注意点
ベトナムは治安は悪くないものの、すりやひったくりなどの軽犯罪が多かったり、街中の衛生状況も良いとは言えない状況にあったりするため、出張時には注意が必要です。出張時に特に気を付けるべきポイントを紹介します。
タクシー移動はぼったくりに注意
ベトナムは公共交通機関が発達していないため、空港からホテルまでの移動やバスが通っていない地域への移動にはタクシーが便利です。ただし、タクシー運転手の中には料金メーターの表示金額を消して、実際の金額よりも高い料金を請求する人もいるので、気を付けましょう。タクシーに乗るときはホテルやレストランなどに配車してもらう、大手タクシー会社のみに乗車する、などの対応をとると安全です。「タクシーですか?」とやたらと声をかけてくる場合はぼったくり目的のタクシーの可能性が高いので、乗らないようにしましょう。
両替時は自分で金額を確認する
日本円からベトナムドンへの両替は街の両替所や空港でもできますが、両替時にぼったくりに遭う可能性があります。両替してもらった後、そのままお金を財布に入れるのではなく、必ず自分で金額が合っているかを確認しましょう。
すりやひったくりに気を付ける
ベトナムはすりやひったくり、置き引きが多く発生している国です。街を歩いているとき、後ろから近づいてきたバイクに乗ったひったくり犯にかばんを盗まれることも。また、街中やバスの中でのすりやホテルや空港、レストランでの置き引きも多発していますので、注意が必要です。道を歩くときはバイクの進行方向と同じ方向に歩かない、自分の持ち物から目を離さないなど基本を徹底しましょう。
参照元:外務省 –海外安全ホームページ
屋台や大衆食堂はなるべく避ける
海外出張の際、食事は楽しみの一つだと思いますが、ベトナムの屋台や大衆食堂はベトナムの衛生法に従っておらず、衛生状態が良くないため、出張中は利用しない方が無難です。屋台では、食材が長時間、高温多湿なベトナムの気候に置かれていたり、調理器具や食器を十分に洗わなかったりすることから、屋台での食事は食中毒になるリスクが高い傾向にあります。大衆食堂でも似たような状況で、お客さんのコップを洗わずに使いまわすこともあり、衛生的な環境ではありません。また、ベトナムでは浄水技術が発達していないので、水道水をそのまま飲むことができませんが、屋台や大衆食堂では水道水から作られた氷が飲み物に入っていることもあります。出張中に体調不良になると仕事ができないため、出張中はきちんとしたレストランで食事を取ることをおすすめします。
マナーとして最低限のベトナム語の挨拶を覚えておく
ベトナムでのビジネスシーンでは英語が通じることが多いですが、マナーとして最低限のベトナム語を覚えておくと良いでしょう。ベトナム語を話せる外国人は少ないので、簡単な挨拶程度で喜んでもらえます。
地方に行くときはスケジュールに余裕を持たせる
出張中、山岳・田園地帯に行く用事があるときは前後1日くらい余裕をもったスケジュールを立てておくことをおすすめします。目的地に行く途中で車が故障したり、スコールにより道路状況が悪化したり、約束していたクライアントやスタッフをうまく会えなかったりといったトラブルが起きる可能性があります。ゆとりのあるスケジュールであれば、急な予定変更にも対応しやすいでしょう。現地の事情をしっかり把握したうえで、出張の予定を立てることが大切です。
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