このページのまとめ

  • 日本から近い、日本人向けサービスが充実しているなどベトナム移住にはメリットが多い
  • ベトナム移住には衛生面が心配、インフラが整っていないといったデメリットもある
  • ベトナムには日本企業が多く進出しているので、就職して移住するチャンスがある
  • ベトナムに移住するならビザの取得が必要

近年、日本人の移住先として注目を集めているベトナム。日本に住んでいるとベトナムの文化に接する機会は少ないかもしれませんが、実はベトナムは親日家が多い国です。

日本人の好みに合う優しい味付けの料理や物価の安さも魅力です。また、ベトナムには日本企業が多く進出しているため、ベトナムで就職して移住したい方にもぴったりです。

まずはこのコラムでベトナムについての理解を深めて、移住へのステップを踏み出しましょう。

ベトナムってどんな国?

まずは、ベトナムという国について概要を知っておきましょう。

基本情報

ベトナムは東南アジアにある国で、正式名称はベトナム社会主義共和国です。首都はハノイで、人口は2020年時点で約9,762万人となっています。国土が南北に細長いのが特徴で、北端から南端までの距離は約1600km。北部、中部、南部に分かれており、地域によって文化が異なります。首都ハノイのある北部は、政治や文化の中心地。中部のダナンはリゾート地として高い人気を誇っています。南部にあるホーチミンは、ベトナム最大の商業都市であり、海外の企業も多く進出。国内経済を牽引しています。

参照元:外務省 –ベトナム基礎データ

治安

殺人や強盗などの凶悪犯罪は少ないですが、外国人住居への侵入やひったくり、すり、置き引きといった窃盗事件が発生しています。人が多く集まる繁華街や空港、レストラン、バス・列車の車内では盗難被害に注意が必要です。ただし、夜間、危険な地域を歩かない、貴重品はできるだけ持ち歩かない、手荷物は身体の前に抱えて持つなど基本的なことを守っていれば、移住しても比較的安全に過ごせる国です。

参照元:外務省 –海外安全ホームページ

観光

ベトナムには観光スポットが数多くあります。かつてはフランス領の一部だった歴史を持つため、フランス統治時代の面影を残す美しい街並みがあるのが特徴。西洋と東洋が入り混じった独特な雰囲気はベトナムならではの魅力でしょう。また、ベトナム北部のハロン湾や、ダナンの近郊の古都ホイアンなど世界遺産も多く存在。ニャチャンやファンティエット、ダナンなどのビーチリゾートも有名な観光スポットです。

ベトナムに移住するメリット・デメリット

ベトナムは、日本人に人気の移住先の一つです。実際日本人がベトナムに移住するにはどのようなメリット・デメリットがあるのかそれぞれ解説します。

ベトナムに移住するメリット

ベトナム料理がおいしい

ベトナム料理は優しい味付けのものが多く、ほかの東南アジア料理に比べて日本人の舌に合うとされています。代表的なベトナム料理のフォーをはじめ、生春巻きやバインミーなど本当に美味しい食べ物があります。本場では、お皿にパクチーが山盛りでついてくるのも特徴です。また、フランス統治時代の名残りで、本格的なフレンチが楽しめます。日本食レストランもあるので、移住後に日本料理が食べたくなったときも心配ありません。

物価が安い

ベトナムの物価は日本の3分の1~5分の1程度。人気のベトナム料理のフォーは1杯150〜300円で食べられます。大衆食堂の1プレート料理の値段は100〜250円、500mlのミネラルウォーターの値段は25~75円とお手頃です。食料品や日用品が安いだけではなく、マッサージやネイルも1000円以下でサービスを受けられます。地元の人が住むようなアパートを選び、食事は自分で作ったり、安い食堂で取ったりした場合は移住後、1カ月5万円程度で暮らすことも可能です。

温暖で過ごしやすい

ベトナムは日本と比べて温暖で過ごしやすい気候なので、寒いのが苦手な方が移住するのにおすすめの国といえるでしょう。ただ、国土が南北に細長いため、地域によって気候は多少異なります。北部のハノイは亜熱帯気候なので、日本と同じく四季があり、冬は気温が下がります。南部のホーチミンは、熱帯モンスーン気候で季節は乾季と雨季しかありません。年間の平均気温は27度と高温です。中部のダナンはこの中間くらいの気候となっています。

日本人が多く、日本人向けサービスが充実している

外務省によると、2020年のベトナムには約23,000人の日本人が暮らしています。在留日本人の数は年々増加傾向にあり、ホーチミンやハノイなどの都市部には日本人コミュニティが形成されています。移住するにあたって、日本人が多いというのは安心材料になるはずです。さらに、在留日本人や日本人観光客の増加に伴って、日本人向けサービスが受けられるところも増えていきます。レストラン、カフェ、病院、マッサージ、不動産屋などでも日本語で対応してもらえるため、移住後も不自由なく暮らせるでしょう。

日本との行き来がしやすい

外国に移住する際に重要なのは日本との距離。その点、飛行機で約6時間で日本と行き来できるベトナムは日本人の移住先に向いています。家族・友達の冠婚葬祭や、自身の健康上の問題などで日本に帰国する必要が出てきたときも安心です。

国内外に旅行しやすい

前述したように、ベトナム国内には魅力的な観光スポットが数多くあります。移住すれば、気軽に国内を旅行できるのは大きなメリットです。また、島国の日本と違い、複数の国に隣接しているので、国外にも旅行しやすいです。タイやカンボジアであれば飛行機で1.5~2時間で行けますし、マレーシア、シンガポール、ラオス、フィリピンも近場の旅行先としておすすめです。

親日の人が多く仲良くなりやすい

ベトナム人はフレンドリーでポジティブな人が多い傾向にあります。また、ベトナム人は親日感情が比較的強いのが特徴です。ベトナム人は日本人の礼儀正しさや日本製品のクオリティーの高さについて尊敬や信頼の念を持って接してくれています。日本人に対して最初からネガティブな感情を持っていないベトナム人は、日本人にとって距離を縮めやすい存在だと言えます。

気楽にのんびりと暮らせる

感じ方には個人差がありますが、ベトナムは日本より気楽におおらかに過ごせる場所です。日本では、電車もバスも時刻表通りに来ますし、各種サービスも徹底しています。このような正確性は日本が世界に誇れる文化ですが、きっちりしすぎているところに逆に合わないと感じる方にはベトナムへ移住をおすすめします。ベトナムでは、時間通りに進まない、交通ルールが守られていない、何事もスムーズにいかないことが珍しくなく、それが許容される傾向にあります。

また、労働環境についても、ベトナム人と日本人の感覚は大きく異なります。残業することを当たり前と捉えることが多い日本人と比べ、ベトナム人は仕事よりも家庭を優先する傾向にあります。ベトナムでは、残業する習慣は浸透していません。きっちりスケジュール通りに業務を進めるよりも。ゆとりを持って進めていくことが優先されています。そのため、「日本で仕事をするのに疲れてしまった」という理由でベトナムへ移住する日本人も増えています。

参照元:外務省–海外在留邦人数調査統計

ベトナム移住のデメリット

交通マナーが悪い

ベトナムではまだ日本のように公共交通機関が発展しておらず、鉄道は南北を縦断する南北統一鉄道くらいしかありません。バスも市内の一部のエリアしか行けないため、多くの人がバイクを活用しています。ただ、交通ルールを守られていないことが多く、信号無視や反対車線での走行、渋滞時の歩行の走行も日常的に行われています。どの道路も混み合っておりスピードは出せない状況なので、重大事故は頻繁には起きてはいないものの、小さなお子さんがいてベトナムへの移住を考えている方にとっては心配な環境でしょう。

空気や衛生面が心配

特に都市部のハノイやホーチミンでは、大気汚染が深刻な問題になっています。2019年9月には大気汚染の程度を示す空気質指数(AQI)において、ハノイが世界1位、ホーチミンが3位に。都市部では、スモッグが立ち込めており、健康被害が心配されています。そのため、都市部では、アプリを使って毎日空気質指数の数値を確認したり、学校では数値が高い日には子どもを外で遊ばせないようにするなどの対策を取っています。

また、ベトナムでは浄水技術が発達していないため、水道水をそのまま飲むことができません。水道水の硬度が高いので、そのまま飲むとお腹を壊してしまいます。水を飲みたいときはスーパーやコンビニなどで購入するのが一般的です。ただし、屋台や大衆食堂では、水道水でお皿や野菜を洗ったり、飲み物に入れる氷を作ったりしていることも。水道水を飲まないように注意していても、日常生活の中でいつのまにか口にしているリスクがあります。街中の衛生状況も良いとは言えず、生活用水を道路に流したり、ゴミを道端に捨てたりすることも日常的に行われています。これまで日本の清潔な環境で暮らしていた人は移住後にギャップを感じるかもしれません。

生活インフラが整っていない

公共交通機関や水道を含め、ベトナムではまだ生活インフラが整っていないのが現状です。たとえば、大都市でも停電は起こります。バックアップの電源を持っている大きなホテルやレジデンスでない限り、ひとたび停電が起きれば、冷蔵庫や冷凍庫、空調、家電製品、インターネットが使えなくなってしまいます。また、日本や海外から送られてくる郵便物もなかなかスムーズに届きません。検閲が入る場合もありますが、それ以外でも郵便物がスムーズに届くことは珍しいため、日本とやりとりする際は民営の郵送会社や郵送後の状況を追跡できる方法を選ぶ必要があります。日本での生活に慣れていると、移住後に不便に感じることもあるでしょう。

住居に関するトラブルが多い

ベトナムに移住する際は住居の確保が必要ですが、ベトナムでは住居に関してトラブルが多く発生しています。たとえば、入居した後に水漏れや鍵の故障が発覚した際に、高い修繕費を要求されることもあります。そのため、物件を探すときは日系の不動産会社を利用した方がベターです。トラブルが起きたときに日本語を理解できる人に仲介してもらえれば、スムーズに解決できるでしょう。

ベトナム移住に利用可能なビザと取得時の注意点

ベトナムでは滞在期間が15日以内の場合はビザの取得が免除されていますが、移住するならビザの取得が必要です。移住前の下見のために使える短期間のビザから、本格的な移住に使える長期のビザまでさまざまな種類があるので、渡航の目的に応じて選びましょう。ここでは、主なビザとビザを取得するときの注意点について解説します。

主なビザの種類

観光ビザ 

観光客のために発行されるビザで、有効期間は3カ月。繰り返し更新することができます。移住前に下見をしたいときには観光ビザを取得するのがおすすめです。

商用ビザ

在ベトナム企業や外資系企業のベトナム支社、NGO組織、その他専門組織の代表者として働く人のために発行されるビザです。商用ビザを使うと1カ月〜3カ月滞在することができます。

就労ビザ

ベトナムで就労する人が利用するビザです。ただし、就労ビザだけでは就労できず、ビザに加えて労働許可証(ワークパーミット)を取得する必要があります。また、就労ビザは日本国内では取得できないため、初回は商用ビザでベトナムに入国し、労働許可証を取得後に就労ビザに切り替えることになります。

帯同ビザ

就労ビザを含む特定のビザを持つ人の配偶者や18歳未満の子ども、またはベトナム国民の両親、配偶者、子どもが取得可能なビザ。有効期間は最長で1年となっています。

学生ビザ

ベトナムで学ぶ人や研究者向けのビザで、有効期間は最長で1年です。ベトナムに留学する場合は、学校を通してビザの手配を行います。

ビザを取得するときの注意点

ビザにはシングルビザとマルチビザの2種類あります。渡航の目的に合わせてビザを選んだうえで、シングルかマルチかも選択しなければいけません。シングルビザは1度出国すると無効になるビザです。一方、マルチビザは有効期間中に何度も出入国できます。マルチビザの方が費用は高いですが、期間内に日本に帰る用事があるときやベトナム国外に旅行するときには適しています。

また、学生ビザや観光ビザは、ベトナムで働いて給与を得ることができないので、注意しなければいけません。ベトナムで長く移住生活を送るには、生活費が必要。給与を得て安定して生活したいなら、ベトナムで就職することがおすすめです。

参照元:在ベトナム日本国大使館–ベトナム出入国情報

ベトナムに移住後、永住はできる?

ベトナムへの長期的な移住を検討するのであれば、永住権を得るという方法もあります。ただし、ベトナムで永住権を取得する条件は極めて厳しく、永住している外国人はごく少数です。2019年時点でベトナムに永住している日本人は在留邦人数20,000人以上に対して、わずか300人ほどとなっています。ベトナムに永住するための条件をご紹介します。

永住権を取得する条件

ベトナムで永住権を得るためには、下記のいずれかの資格要件を満たさなければなりません。

  • ベトナムの発展や保護に貢献し、政府から勲章又は称号を授与された外国人
  • 一時的に居住している科学者または専門家
  • ベトナム人の親や配偶者、子どもがスポンサーになった外国人
  • 2000人以前からベトナムに居住している無国籍の人

「いずれの場合もベトナムに住居があり、安定した収入があること」が必須条件になっています。

ベトナム人と結婚してもビザの更新はマスト

ベトナム人と結婚すれば、永住権は取得可能です。ビザの取得は免除されるものの、3年ごとに永住権を更新しなければなりません。

リタイアメントビザは使えない

ベトナムには、タイ、フィリピン、マレーシア、インドネシア、カンボジアなどほかの東南アジアの国や世界各地で使われているリタイアメントビザがありません。リタイアメントビザとは、年金受給者などの退職者を対象にした長期滞在ビザ。そのため、現状の制度の中で永住権の取得を目指す必要があります。

ベトナムでできる仕事

東南アジアの中でも経済成長が目覚ましいベトナムには多くの日本企業が進出しています。日本貿易振興機構によると、2019年12月時点でベトナムに進出している日本企業は1,943社。製造業界のほか、サービス業界やIT系ベンチャー企業も増えています。特にIT企業のオフショア開発の拠点になることも多いので、IT関連の経験を持つ方は活躍しやすいでしょう。また、立地的に中国に近いため、中国企業が高騰する人件費を回避するために、ベトナムへ工場を移転しており、中国企業の進出も盛んになっています。

そのほか、ベトナムに移住して日本食レストランや日本のレストランチェーンで働く日本人も多くいます。

参照元:日本貿易振興機構–概況・基本統計

ベトナムで就職するときの注意点

では、ベトナムで就職するときにはどのようなことに気を付ければいいのでしょうか。注意しておくとよい点を解説します。

言語を勉強しておく

ベトナムでの就職を考えているなら英語やプラスアルファでベトナム語を勉強しておくと、できる仕事の幅は広がるでしょう。営業職では、日本人だけではなく、ベトナム人、韓国人、中国人と話す機会があるので、ビジネスレベルの英語力が求められます。また、ベトナムでは英語を話せる人が多いので、ベトナム語のスキルはあまり必要ありませんが、英語のスキルがある方はベトナム語を勉強しておくと現地のスタッフからの印象が良くなります。

ただし、日本人向けのコールセンターや日本人向けのレストラン、日本企業をクライアントとする仕事であれば、英語やベトナム語ができなくても支障がありません。

移住前から仕事を探す

仕事は移住前に探すのがベストです。先にベトナムに移住してしまうと、日本での貯金を切り崩しながら生活することになります。また、言語の違いやレスポンスのスピードなどにストレスを感じてしまうこともあるでしょう。ベトナム専門の転職エージェンシーもあるので、日本にいながらベトナム現地の求人を簡単に探すこともあります。

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